前大阪市長の橋下徹氏と、国際政治学者の三浦瑠麗氏との間で論争が起きている。争点は、橋下氏の過去の従軍慰安婦発言をどう評価するか。橋下氏は公式メルマガ《橋下徹の「問題解決の授業」》でも三浦氏批判を展開。一連の批判を受け、三浦氏が論じる。

維新は自民党に本質的に対抗できる

先日、橋下徹さんと慰安婦問題についてテレビやツイッターで議論になりました。その中で、私の発言について「自称インテリ」の「勉強不足」としてご批判を頂きました。私は、議論とは深めることに意義があり、日本に存在する「ハイ論破!」という文化は有害だなと思っています。官僚が使う言葉を借りれば「議論するときは同期」という姿勢こそが正しい、と。若輩者で政治経験もないのに、政治家を評論し批判するなど100年早いと言っておられるのでしょうが、それでは議論は成り立ちません。年長者や政治経験者以外の言論に意味がないというのであれば、それは橋下さんが抗ってきたエリート支配の肯定に等しい。せっかくの機会ですので、人生の先輩であり、多くの点で評価する橋下さんにも同じ姿勢で臨みたいと思います。

橋下さんの発言について、私が申し上げたかったことは2つ。1つは、慰安婦問題の中でも、特に南洋における事実認識が違うこと。もう1つは、氏の慰安婦問題の提起の仕方に問題があったことによって維新への期待が萎み、日本政治にマイナスの影響を及ぼしたことです。