「お金の使い方」はその人の「生き方」そのもの

お金がなければモノは買えません。しかし、お金があるからといって、必ずしも何かしら買わないといけないわけではありません。お金があると、買う・買わないといった選択肢が複数ある状態になり、その選択をするのは本人です。

家計診断をして感じるのは、「お金の使い方」にはその人の性格や行動パターンが実によく反映される点です。まさに「生き方」といっても過言ではないでしょう。

例えば、食べることが好きな人は食費や外食費の額が高くなります。健康・美容に気を使う人であれば、健康食品や通販の美容器具、マッサージなどの費目がかさみます。何より教育費を優先する人もいれば、心配性で保険料が高くなるといったケースもあります。

「お金の使い方」にはその人の「生き方」が反映されるものです。

ですから、誰かの「お金の使い方」を見てケチと思ったときには、自分の価値観でもって他人の消費行動を判断している状態といえます。

でも、だからといって、他人を自分の価値観で判断するのはやめましょう、というつもりはありません。しょせん人は主観でしか生きられませんから、どうしてもそうなってしまうものです。

それ自体を悪いこととはまったく思いません。ただ、他人をいいとか悪いとか、何かしら自己基準で判断する前に、相手をそういうものだと受け入れること、つまり相手の価値観を認めること、自分の価値観との違いに気付くことがとても大事だと思うのです。

この考え方を自身の「家計改善」にまで広げて考えると、こんなふうにも解釈できるでしょう。誰かの言葉や情報に影響を受け、何とか支出を削ろうとするとき、ただ削ることに終始するとかえって安易な節約に走り、単なるケチになりかねません。生活の潤いもなくなってしまいます。

そうではなく、自分の価値観をしっかり持ち、それに合わない消費活動を控えることが大事なのかもしれません。他人の目を気にせず、流行を追うとか周りに流されるような支出をしないことです。

分かりやすい例は、セールです。「安いから買う」のではなく、本当に自分に必要であれば買えばいいし、いくら安くても必要なければ、買う必要もありません。