失業手当など社保加入でメリットも

ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんが、主婦の社会保険加入の具体的なメリットについて説明する。

「将来、国民年金だけでなく、自分の厚生年金も受け取れるようになります。また、健康保険に入っていれば、病気やケガで仕事を休んだときに傷病手当金、失業したときには失業手当をもらいながら、求職活動ができます」

畠中さんの試算によれば、主婦が年収300万円で、40歳から60歳まで企業で働いた(それまでは厚生年金未加入)とすると、勤務期間中に支払う厚生年金保険料は合計約560万円。それに対して、主婦が女性の平均寿命である87歳まで生きたとすると、65歳から受け取る厚生年金は、合計約740万円になる。つまり、差し引き約180万円の得になるわけだ。

また、元メガバンク支店長の菅井敏之さんも「高所得世帯では、意外に専業主婦の割合が高い。子どもの教育も大切ですが、妻のスキルアップに投資し、妻に外で働いてもらうようにすることも、重要なことです」と指摘する。

荻原博子
経済ジャーナリスト。1954年、長野県生まれ。経済とお金の仕組みを、わかりやすく解説。『ちょい投資──怖がりだけど欲張りなあなたの投資講座』をはじめ著書多数。
 
畠中雅子
ファイナンシャルプランナー。新聞、雑誌などに連載を持つ。『老後が危ない!年金月額16万円の生き残り術』『なぜかいつも幸せな人のお金のルール』をはじめ著書多数。
 
菅井敏之
元メガバンク支店長。1983年に三井銀行(現・三井住友銀行)へ入行。中野支店長などを務める。起業後はアパート経営に。著書に『お金が貯まるのは、どっち!?』など。
 
(南雲一男、加々美義人、遠藤素子、加藤ゆき=撮影)
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