世界経済を揺るがしている原油安は、プラント業界にも暗い影を落としている。

プラントメーカーは、エネルギー会社などが石油や天然ガスなどを生成するプラントを建設する際、その設計や工事を手掛ける。プラントは施工から引き渡しまで、通常3~4年。油価が下がり始めると、プラントが実際に稼働する数年先はもっと落ちてリターンが十分に得られないのではないかという懸念から、発注件数が落ちることが多い。

日本のプラント大手の日揮は、2014年3月期の受注高が8181億円(連結ベース)、15年3月期が7696億円(同)。16年はまだ見込みだが2500億~3000億円だろう。17年はやや復調して6000億円と見ている。

プラント事業は、大型案件が入ったタイミングによって各年の受注額が大きく変動するため、単純に16年を前年比で5000億円の落ち込みと見るのは正確ではない。しかし、原油安が新規受注に悪影響を及ぼしていることは事実だ。

さらに、液化天然ガス(LNG)の新規受注がここしばらく見込めない。すでに着手されている大型案件が20年頃から稼働し始めて需要ギャップが予想されること、また、シェールガスの登場によるガス価格の下落が、巨額を要するLNGプラント開発に影響を及ぼしているためだ。

現在、LNGプラントを建設することができるのは、日揮、千代田化工建設の日本の2社のほか、米国のべクテルとKBRだけ。それだけ高度な技術が必要で、日揮、千代田にとっても大きな柱だったが、ここへきて戦略の見直しを迫られている。

今後、注目しているのは、千代田が進める海洋開発、つまり海底にある既存油田の開発や活用だ。先の2社だけでなく、他の企業も新たなフロンティアを開発する動きに期待したい。