読売新聞の世論調査では、26日からの伊勢志摩サミット後に行われるオバマ大統領の広島訪問に9割以上の人が肯定的。謝罪も演説もしない訪問なのにね。しかも被爆者にも会わないとか。

日本国民は、この訪問に勝手に意味付けをしている。核兵器廃絶への大きな第一歩だと。ここも安倍政権の完全勝利だね。オバマ氏広島訪問で、安倍外交に高得点が付いた。

でも、ほんとに核廃絶に繋がるのかね。オバマ氏は半年後には退任。そして世界の核をめぐる情勢は厳しさを増すばかり。

そもそも日本とアメリカ、その側に立つ国は、核兵器使用禁止条約に反対ないしは棄権している。先日広島で行われたサミット外相会合での声明も「核の非人道性」というキーワードは盛り込まれなかった。核保有国が反対した。

そしてまたここで欺瞞的な政治が行われた。声明の英文をそのまま訳すと「人的苦痛」という言葉。それを日本側は「非人間的」と訳して発表。非人道性という日本語に限りなく近く訳したけれども、人的苦痛と非人間的はやっぱり違うだろ。これがエスタブリッシュメントがやる政治。ごまかしだね。

そして中国、ロシアが核廃絶などする気配は全くなし。アメリカは欧州と韓国でミサイル防衛政策を実行する意思。当然ロシアと中国は反発し、核抑止力を高める意思を表明。

日本はアメリカ側でアメリカの核の傘に入っているから、アメリカのやることが全て正しいと思っているけど、世界の視点で見れば、アメリカとロシアと中国の考えは相反している。日本とアメリカの意思だけで核廃絶に繋がるわけではない。

本気で核廃絶を目指すなら、残り任期半年になったオバマ氏の広島訪問よりも、核兵器使用禁止条約の締結に向けた努力だよ。これをやらずに、上っ面の言葉で、核廃絶を唱えてもそれは国民を騙す欺瞞的政治でしかない。メディアをはじめ自称インテリたちも、きれいな言葉だけを唱える。

民主主義の政治は、現実を有権者に知らせて解決策を提示する。有権者に後押しを受ければ実行する。拒絶されれば中止。これが民主主義だ。

現在の世界情勢で、核廃絶という綺麗ごとを言うのはコメンテーターや自称インテリたちだけで十分。そんな言葉は政治的には全く無価値。オバマ氏や安倍首相も、はっきりと言明すべきだ。

「理想として、そして少し先(遠い将来)のこととして核兵器廃絶を目指すべきだとしても、今の世界情勢では、当面、核兵器は必要である、そして日本はアメリカの核の傘に入る必要がある」とね。

こちらをはっきりと言明する方が、むしろ中国、ロシア、北朝鮮などとのパワーバランスは安定するだろう。政治的には意味がある言葉となる。

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