自身子育て経験のある伊藤正孝氏も、「ものでもお金でも渡せば、せがんだ子供はニコニコします。それを見れば、親は楽しい。だから与える。長期的に育てるのではなく、短期的に親が自分の心を満たすためなのです。だから小善。結果、子供がペット化していく。まさに、小善は大悪に似たりです」

伊藤氏は、子供に対するマネー教育の本質は、「困難さを体験させることにある」という。

「例えば、子供が北海道に行きたいと思ったが、自分の持ち金では飛行機に乗れないとき、別の方法でたどり着くために、知恵を使い、汗を流す。困難を克服する体験は、子供を大きく成長させます。そこに親の本当の愛情が表れる。お金はややもすると、困難を困難でなくしてしまいます。愛は与えても、お金は必要以上与えてはいけない。厳しく育てるには、親のほうも我慢しなければならず、大変です。でも信念を持って行えるのが、大善です」

子供にせがまれたとき、すぐに応じるのではなく、一呼吸置いて、唱えるといい。「小善は大悪に似たり」と。

【稲盛哲学】小善は大悪に似たり ⇒ 子供をペットと思ってはならない
佐々木昭人
ファイナンシャル・プランナー。ロムルス代表取締役。
1972年生まれ。生命保険の営業を経て、2007年より現在の事務所を立ち上げ、生命保険のコンサルティングを行う。09年より盛和塾新潟に参加している。
 
伊藤正孝
税理士、ファイナンシャル・プランナー。
1960年生まれ。プライス・ウォーターハウス・クーパースを経て、2004年に伊藤正孝税理士事務所を立ち上げる。稲盛氏の勉強会「盛和塾」では盛和塾横浜の元会計担当事務局を務めた。