2016年3月3日(木)

新たな繁盛店づくりに有効な仕掛け、2つの「視点」

意外と知らないオトナの教養「飲食業界」ABC【第14回】

PRESIDENT Online スペシャル

著者
子安 大輔 こやす・だいすけ
カゲン取締役、飲食プロデューサー

子安 大輔1976年生まれ、神奈川県出身。99年東京大学経済学部を卒業後、博報堂入社。食品や飲料、金融などのマーケティング戦略立案に携わる。2003年に飲食業界に転身し、中村悌二氏と共同でカゲンを設立。飲食店や商業施設のプロデュースやコンサルティングを中心に、食に関する企画業務を広く手がけている。著書に、『「お通し」はなぜ必ず出るのか』『ラー油とハイボール』。株式会社カゲン http://www.kagen.biz/

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子安大輔=文
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「飲食店プロデュース」業とは

私は仕事の内容を質問されると、大抵の場合「飲食店のプロデュース」と答えています。すると面白いことに、それに対する反応は大きく2つにわかれます。ひとつは「何だか楽しそう!」というもの。世の中には「プロデューサー」の肩書きを持つ人はたくさんいますが、音楽や映画などの華やかな業界に特に多いせいか、こちらまで勝手に「キラキラした憧れの職業」のように見られてしまうことがあります。

そしてもうひとつの反応とは、先ほどとは正反対で「うさんくさい!」というネガティブなものです(さすがに面と向かって直接言われることはあまりありませんが、にじみ出る態度でわかるものです)。そういう人は、いかがわしいコンサルタントとの苦い経験でもあるのか、「口先だけうまいことを言う適当な仕事」とこれまた勝手に決めつけられてしまいます。

個人的にはそのいずれでもなく、非常に「地道な仕事」と認識しています。1軒のお店ができるまでには、決めなければならないことが無数にあります。物件探しから始まって、お店のコンセプトを考え、店名を決めて、内外装のデザインだったり厨房や客席の配置だったりを計画していきます。そして食べ物や飲み物のメニューに思いを巡らし、値付けもしなければなりません。

同時に、スタッフのユニフォームを探し、ロゴやショップカードのデザインを決めて、取り皿が何枚必要かも考えていきます。さらには、お店のウェブサイトがいるのか、フェイスブックページは必要か、開業時には何かプロモーションをすべきか、といったことも検討する必要があります。これらの細かい業務を、全体のスケジュールや予算をにらみながら、進行していかねばなりません。

どうでしょう、もちろんクリエイティブな仕事であるには違いありませんが、決してキラキラではなく、うさんくさくもなく、実態としてはかなり細かな作業の積み重ねということが何となく理解してもらえるでしょうか。

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