2016年3月3日(木)

なぜ、パートで働く妻は時給UPを拒むのか?

プレジデント・マネーNEWS【57】

PRESIDENT Online スペシャル

著者
黒田 尚子 くろだ・なおこ
CFP、一級FP技能士、消費生活専門相談員

黒田 尚子株式会社日本総合研究所に勤務後、1998年FPとして独立。個人向けの相談業務、セミナー・FP講座等の講師、書籍や雑誌・Webサイト上での執筆など幅広く行う。消費者問題にも注力。

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ファイナンシャル・プランナー 黒田尚子=文
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今年の秋から「106万円の壁」が……

最近、パート・アルバイトの時給が上昇を続けている。

2015年12月、求人情報大手のリクルートジョブズが発表した、同年11月の3大都市圏(首都圏・東海・関西)のアルバイトの募集時の平均時給は981円。6カ月連続で過去最高を更新したという。さらにこの上昇傾向は今後も続く可能性が高い。

私が大学時代にやっていた飲食店でのアルバイトの時給が、たしか700円くらい。それから比べると、ずいぶんな違いだ(四半世紀以上もさかのぼることを差し引いても……)。

ところが、時給がアップすることを喜ばない人たちもいるという。パートタイマー労働者の一翼を担う主婦のみなさんである。

なぜ、彼女たちはそう考えるのだろうか?

おそらく、最大の理由は、「税金や社会保険料の負担がかからない範囲で働きたいから」である。

▼非正規雇用で働く女性の年収は、103万円以下が半数以上!

「平成27年版パートタイマー白書」(アイデム人と仕事研究所)によると、「非正規雇用/正社員意向なし」の女性労働者の年収は、「103万円以下」が50.2%で突出して高い。続いて「103万円超~130万円未満」が21.9%と、年収130万円未満で働く人が7割超を占めている。いわゆる「103万円の壁」、「130万円の壁」を意識しての結果だろう。

たしかに、パートなどで働く主婦の方は、とにかく夫の扶養の範囲から外れること、また税金がかかってくることに敏感だ。1年の後半になると、年収が「壁」を超えないよう、調整(出勤日数・時間)に躍起になっている人も少なくない。

パートで働いて多少手取りが増えたところで、自分や夫の税金等の負担も増え、世帯年収が減ってしまったのでは、元も子もないというわけだ。

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