2016年2月17日(水)

堕ちた“番長”にも読ませたい「本物の富裕層はマシュマロを2個食べる」

プレジデント・マネーNEWS【55】

PRESIDENT Online スペシャル

著者
金森 重樹 かなもり・しげき
ビジネスプロデューサー、不動産投資顧問

金森 重樹東大法学部卒。25歳の時に1億2000万円の借金を負う。著書『お金の味』に詳しい。マーケティングの技術を活用して35歳で借金を完済。行政書士として脱サラ。不動産、建設、ホテルチェーン、医療法人、福祉事業などグループ年商100億円の企業グループのオーナー。個人で日本最大2メガワットのメガソーラー発電所を宮古島で開設。自宅の冷蔵庫とストッカーは自治体からのお礼の品でいつも満杯。ふるさと納税を始めて食費はほぼ「0円」を更新中。著書に『2015年改訂版 100%得をするふるさと納税生活完全ガイド』。

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行政書士 不動産投資顧問 金森重樹=文
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マシュマロ2個食べる子は「生涯幸せ」。1個のコは……

前回の記事では「『コップの水』を飲む人は、富裕層になれない」(http://president.jp/articles/-/17182)という内容を書きました。

要約すると次のような内容です。

<戦略的に「みっともなく生きる」ことの狙いは、主に2つ。第1に、将来何かに投資するための「種銭」をコツコツつくること。第2に、質素倹約の習慣を完全に定着させること。この習慣とは、例えるならば、コップにたまった水をそのまま飲むのではなく、コップからポタポタ溢れる水を舐めて我慢するという行為。そんな生活を維持すれば、仮に大金を得ても、いたずらに浪費せず身を持ち崩すこともなくなる>

この私の考えに対して、読者の方から、通帳にお金がある程度貯まってくると「あれも買える、これも買いたい」と想像して、お金を使いたいという欲求に抗し切れない、浪費について自分を抑えることができない、という意見をいただきました。

コップの水が一杯になって溢れるのを待たずして、途中でコップの水を飲んじゃうということです。

そんな読者の方に参考になる実験をご紹介します。スタンフォード大学の心理学者ウォルター・ミシェルが50年にわたって行った、のべ600人参加の大規模な実験です(詳しくは『マシュマロ・テスト 成功する子・しない子』を参照ください)。

この実験は、使われた報酬の名前にちなんでマシュマロ実験と呼ばれています。

実験は、スタンフォード大学のビング保育園(心理学部の教育研究機関)で行われたもので、4歳の園児たちにマシュマロ1個を今すぐもらうほうを選ぶか、それとも最長20分待ってマシュマロを2個もらうほうを選ぶかを選択させました。

まず、実験室内でマシュマロを1個テーブルにおきます。マシュマロの脇には卓上ベルがあり、いつ鳴らして研究者を呼び戻し、1個のマシュマロを食べてもいいです。しかし、研究者が戻るまで待って、20分の間、席を離れたりマシュマロを食べ始めたりしていなければ、2個のマシュマロがもらえます。

ご想像のとおり、園児たちは目の前の魅力的でよだれのでそうな誘惑に抗し、むしゃぶりつきたくなる衝動を抑え、もがき苦しみ、悪戦苦闘し、味見を我慢するための創意工夫を凝らします(マシュマロ実験の一例はこちら https://www.youtube.com/watch?v=QX_oy9614HQ)。

4歳児たちのことですから、当然お菓子を食べたいという生理的欲求のほうがそれを我慢しようとする自己抑制や理性を圧倒してしまいます。いわば欲求に屈服するグループ。これに対して、自己抑制によって生理的欲求に打ち勝つグループもいます。前者と後者の割合は、2:1です。

興味深いのは、その後50年にわたる追跡調査の結果です。

欲求に打ち勝つことができたグループ(全体の3分の1)は、そうでないグループと比べて、何が違ったのか。

・大学進学適正試験(SAT)の点数が良い
・中年になったときの肥満指数が低い
・自尊心が高い
・ストレスにうまく対処する

という結果になりました。マシュマロ実験によって、「自制心」と呼ばれる「将来のより大きな成果のために、自己の衝動や感情をコントロールし、目先の欲求を辛抱する能力」が、人の社会における成功に重要であることが判明したわけです。

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