2015年12月13日(日)

「定価の半額」で即購入! なぜ値下げ表示に人は弱いのか

数字に騙される人は、なぜ騙されるか【アンカリング効果】

PRESIDENT 2015年3月30日号

著者
大江 英樹 おおえ・ひでき

1952年、大阪府生まれ。野村証券で個人資産運用業務、企業年金制度のコンサルティングなどに従事後、2012年オフィス・リベルタス設立。日本証券アナリスト協会検定会員、行動経済学会会員。日本経済新聞電子版で「投資賢者の心理学」連載、その他『定年楽園』『その損の9割は避けられる』など著書多数。近著に『老後貧乏は避けられる』。

大江英樹=監修 宮内 健=構成 getty images=写真
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経済学には「人間は自分の利益を最大化するよう合理的に行動する」という大前提があります。しかし、実際の行動を観察すると、なぜか非合理的な判断をしている場面が多々あります。損したくないと思うあまり、大きな損を生んでいることがたくさんあるのです。

getty images=写真

なぜそのような非合理的な行動をしてしまうのか。それを心理学の面から解き明かそうとしているのが、行動経済学です。要するに、行動経済学とは経済学に心理学の要素を取り入れたものといえます。学問の分野としてはまだ新しいですが、取り上げられている事例が話のネタとしても非常に面白く、魅力があるため注目されています。

行動経済学の理論はいろいろ応用されています。マーケティングの領域で明らかに応用しているものがありますし、なかには 「悪用」というべきものもあります。視点を変えれば、行動経済学の知見を学ぶことで非合理的な判断による損を回避しやすくなるわけです。以下の問題は行動経済学の理論に基づいて作成し、陥りやすい数字のワナについて解説しました。実際に解いてみると、どんなふうにして数字に騙されるかが、わかってくるはずです。

Q. デパートのバーゲンに訪れたAさんは、好みのデザインのスーツが定価5万9800円から2万9900円に値下げされているのを発見。「ほぼ半額だ!」とAさんは喜んでレジに向かった。この行動は得か損か。

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