党の方針を気にせず、脱原発など歯に衣着せぬ発言で注目される河野太郎氏は、「政界の異端児」の異名も持つ。2009年の総裁選出馬の際、長老議員たちに引退を迫り、怒りをかった。12年には議連「原発ゼロの会」の共同代表に就任。ポスト欲しさに黙して語らずの議員が増殖する現在では、希少な存在だ。

国家公安委員長兼行政改革担当相 河野太郎(AFLO=写真)

代々政治家の血筋で、1996年に初当選。02年には肝臓を患った父・洋平氏に、自らドナーとなって生体肝移植をし話題となった。最近は静かにしていたが、10月に国家公安委員長兼行政改革担当相として初入閣した。これまで党の行革推進本部長として国の無駄遣いカットに邁進してきたが、大臣として手腕をふるいたかったようだ。河野氏もすでに当選7回。安倍政権も長期化。いつまでも「異端児」ではいられないらしい。

「脱原発の自説を曲げて大臣就任とはみっともない」という声も多い。本人は「信条は変えない。政府の中できちんと言う」と威勢はいい。安倍首相からは「突破力に期待する」と言われたそうだ。「脱原発、再稼働批判」でも「突破力」を見せてほしいが、「大臣になった以上、外に発信するときは政府の方針を擁護するのがルール」と早速予防線を張る。

行革担当相としては、11月に行政事業の点検を行う「レビュー」を公開する。民主党の「事業仕分け」と同じものだが、それ以上の成果を出せるかどうかで真価が問われる。「異端児」を入閣させた安倍首相の度量の演出に一役買っただけでは、あまりにも情けない。

国家公安委員長兼行政改革担当相 河野太郎(こうの・たろう)
1963年生まれ。85年米国ジョージタウン大卒。96年衆議院議員に初当選。当選7回。2015年10月、国家公安委員長兼行政改革担当相に就任。