どうしても塾を変えたい時の塾選び法7

しかし、どうしても変えたい! 変えないといけないという場合もある。塾内でのイジメ、講師との相性、その他、いろんな事情でやむなく転塾というケースが出てくる。

その場合は今度こそ失敗のない戦略を打ち立てないと受験に間に合わなくなる。そこで、今回は「いい塾の見分け方」というテーマで綴ってみたい(いい塾教師選びのポイントも後述)。

皆さんはピグマリオン効果という言葉をご存知だろうか?

コトバンクによると、これはアメリカの教育心理学者、ローゼンタールが発表した心理学用語だ。

「実験では教師が期待をかけた生徒とそうでない生徒では成績の伸びに明らかな違いが見られたという。このことから、他者への期待値がその後の成長を決定づける大きな要因のひとつになると考えられている。なお、『ピグマリオン』はギリシャ神話の登場人物。自分の作った彫刻に恋をしたピグマリオンが、神に祈りを捧げて彫刻を人間にしてもらい、幸せに暮らしたという神話に由来している」というものである。

つまり、教師に期待される子は伸びるという学説なのだ。

この実験はある小学校で知能テストを行い、その中から無作為に数名の生徒を選んで「この子たちが伸びる」と偽りの情報を教師に伝えたもの。すると、あら不思議、それを信じた教師が、その子たちに期待を込めて指導したところ、本当に成績が伸びていったというものである。

この結果が何を意味するかと言えば、やはり子どもの「やる気スイッチ」は教師が押すこともあり得るということになる。

「勉強は嫌いだったけど、解るって楽しい!」という知的好奇心をくすぐってくれる先生に出会えたならばピグマリオンは相乗効果となって威力を発揮する。

入塾のときに、或いは家庭教師を頼むときに、どういう方針で受験に臨み、どういうタイプの子に強いのかを判断しなければならない。

特にこのピグマリオン効果が得られそうな先生に出会えるかが鍵になる。同時に我が子がゆっくり教えてもらわないと頭に入らないタイプなのか、逆に放っておいてほしいタイプなのかの見極めも必要になる。我が子と塾の相性を判断するのは親の役目なのだ。それほど塾は大切な場所になる。

特に中学受験の場合は結果が出ないときにこそ塾の真価が問われる。最後の最後、合格に手が届かない子を蹴り上げて合格ラインに持って行くのは塾の仕事である。

「隣の子が行ったから」とか「有名だから」という安易な理由で決めてはいけない。

いい塾を見抜くポイントはこれである。

1. 塾長(その教室のトップ)は頼りになりそうか?
2. 塾長はあなたのめんどくさい話を辛抱強く聞いてくれたか?
3. スタッフは親切か?
4. 志望校にその教室で何人合格しているか?
5. その教室で志望校に入学したのは実際、何人か?
6. 受験最終日目前、1校も合格が出ていないと仮定して、塾はあなたに何をすると言っているか?
7. 母が普通の精神状態でなくなっても「決して見捨てはしない!」という覚悟を持っているか?

4から6までは直接、塾に聞いてみて、対応悪けりゃ即、バイバイ。対応良ければ7聞いて「この塾、合格!」と感じたら、信じてみてもいいとみる。