2015年10月14日(水)

「大卒→中小企業」より「高卒→大企業」の方が生涯賃金は2割高い

人事&給料の謎【19】

PRESIDENT Online スペシャル

著者
山口 俊一 やまぐち・しゅんいち
株式会社新経営サービス 常務取締役 人事戦略研究所所長

山口 俊一人事コンサルタントとして20年超。人事コンサルティングのほか、講演、執筆活動を中心に活躍している。約400社の人事・賃金制度改革を支援してきた人事戦略研究所を立ち上げ、現在に至る。一部上場企業から中堅・中小企業に至るまで、様々な業種・業態の人事制度改革コンサルティングを手掛ける。最新著書は、『業種別人事制度(3)商社・卸売業』『業種別人事制度(6)運輸・物流業』(中央経済社) >>人事戦略研究所サイト http://jinji.jp

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新経営サービス 常務取締役 人事戦略研究所所長 山口俊一=文
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基本的には高卒より大卒の方が高い

厚生労働省は9月18日、2016年3月卒業予定の高校生について、7月末現在の求人倍率が1.54倍となり、過去20年で最高になったと発表しました。高校生にとっては、就職か進学か、迷うところです。大学に進学したとして、4年後の就職環境が分からないからです。

さて、学歴によって、生涯年収にどのくらいの差があるのでしょうか。

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男性社員の生涯賃金

高卒で就職するか、大学か大学院まで卒業して就職するか。この両者においては、はっきりと大学に進学した方が高いという結果が出ています。(独)労働政策研究・研修機構が試算した、男性社員の生涯賃金(退職金除く)。高卒の1億9240万円に対して、大学・大学院卒は 2億5440万円。実に、6000万円近くもの違いが出ています。しかも、高卒者は少なくとも4年間余分に働いて、この数字です。

これに対して、大学に進学した場合の学費は、国公立か私立かによっても大きく異なりますが、250~500万円程度。4年間下宿したとしても、生活費で月15万円×12カ月×4年間=720万円。合わせても1千数百万円の金銭的コストとなり、大学進学は十分に元が取れる選択と言えそうです。「今時、せめて大学くらいは出ておけよ」という親の意見には、それなりの根拠があることになります。

ところが、この表をよく見ると、就職する企業規模によって、事情が大きく異なっていることが分かります。大学・大学院卒で社員数10-99人の中小企業に就職した人が1億9430万円であるのに対して、高卒でも1000人以上の大企業に入った人は、2億3300万円。何と、2割ほども高卒者の方が高い、という逆転現象が起こっているのです。

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