「破壊の脅威」に気づくには

●どの部分でユーザーが関心を持たず、カネを払う気にならない機能を提供することで市場の先を行きすぎているか?

破壊的イノベーションの主な教義の1つは、企業は人々のニーズが変化するよりも速くイノベーションを行うということだ。人々はつねによりよい製品を選ぶが、高度な機能を使いこなせないとか、そうした機能にカネを払いたくないという場合には、もっと単純で安価なソリューションが成功する機会が生まれる。

●わが社を破壊しようとするとするなら、どうやるか?

破壊的イノベーションという概念が20年近く社会の共有概念になっているという事実にもかかわらず、破壊は今なお多くの企業に不意打ちを食らわせ、大打撃を与えるようだ。

とくに厳しいのは、破壊者は必ずと言っていいほどよく見えるところにいるのに、マーケット・リーダーの目には入らない傾向があることだ(2008年の時点でも、ブロックバスターのCEOはこう語っていた。「みんながネットフリックスにこのように魅了されていることに、率直に言って面食らっている。……ネットフリックスは、わが社にできないことや、わが社がやっていないことは本当は何一つやっていないのだから」)。この単純な問いを検討し、破壊的モデルで前進している企業を見つけることで、この脅威に対して少なくともある程度備えを固められるかもしれない。