思いやりある人と対立を避ける人はまったく違う

優しくて思いやりのある上司の下で働くのは心地よいだろうが、一緒に働くのが心地よい上司と対立を避ける上司には違いがある。後者に分類されるマネジャーは、厳しいフィードバックを与えてくれず、チームのために戦うのをしり込みし、要求を気安く受け入れすぎる。あなたの上司がこのタイプなら、あなたのキャリアはリスクにさらされるおそれがある。

対立を嫌う上司の下で働くのは大した問題ではないと、人々は思い込みやすい(Getty Images=写真)

「リーダーの優しさや思いやりには私は100%賛成だ。私が感心できないのは、優しさと称して、自分のやるべきことをやらない上司だ」と、『Essentialism: The Disciplined Pursuit of Less』の著者、グレッグ・マッコーエンは言う。

対立を嫌うマネジャーは、部下の成果やキャリアに有害な影響をおよぼすことがある。ハーバード・ビジネス・スクール経営学教授で、『Being the Boss: The 3 Imperatives for Becoming a Great Leader』(邦訳『ハーバード流ボス養成講座―優れたリーダーの3要素』)の共著者、リンダ・ヒルは、こうした上司の多くが、直属の部下におよぼしている影響に気づいていないと言う。

「このようなリーダーにインタビューした経験から言えるのは、本人はそのように行動していることに気づいていないということだ」と、彼女は言う。優しすぎる上司がもたらすおそれのある被害を軽減するにはどうすればよいかを、次に紹介しよう。