2015年9月8日(火)

まさか三男の夫が老親の面倒を見ることになるとは!?

介護、相続、実家対策まるわかり【1】

PRESIDENT Online スペシャル /PRESIDENT BOOKS

著者
黒田 尚子 くろだ・なおこ
CFP、一級FP技能士、消費生活専門相談員

黒田 尚子株式会社日本総合研究所に勤務後、1998年FPとして独立。個人向けの相談業務、セミナー・FP講座等の講師、書籍や雑誌・Webサイト上での執筆など幅広く行う。消費者問題にも注力。

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ファイナンシャルプランナー 黒田尚子=文
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婿に来てくれたはずなのに……

▼家族構成
川内恵美子さん(仮名・52歳):自由業/2人姉妹の長女 千葉県在住
夫(63歳):会社員/3人兄弟の三男
長女(21歳)

夫の実家は新潟で、山形に近い郡部にあります。東京から新幹線で新潟まで行き、そこから在来線に乗り換え、駅に車で迎えに来てもらい……。というような、車がないと、不便な場所です。

義母は3年前。義父は2年前に亡くなりました。両親とも、最後は要介護5になっていたと思います。亡くなるまで、両親とも10年以上、夫は、介護のために実家に通い続けました。

『50代からのお金のはなし』(黒田尚子著・プレジデント社)

苦労の始まりは、今から約13年前。自転車で山菜採りに出かけた先で義母(当時79歳)が倒れているのを通りかかった人が見つけて119番通報。くも膜下出血でした。

親戚からの連絡を受け、とりあえず先に、夫が駆け付けたときには、心肺停止状態。医師からは、「五分五分」と告げられました。私も、その当時、小学生だった娘とともに、仕事や学校の役員会も放り出して、新幹線に乗ったのを覚えています。

義母は小柄な人でしたが、心臓が丈夫だったのでしょうか。翌日息を吹き返し、手術をすることになりました。そしてその後、3カ月ほどの入院生活で、義母は認知症が進行。退院後、ようやく見つけたグループホームに入所しましたが、認知症のため、他の人とうまくコミュニケーションが取れません。ほかの入居者とトラブルを起こしたことがきっかけで結局、退所せざるをえませんでした。

そこを出てしばらくは、自宅で訪問介護を受けていたのです。すると、今度はヘルパーとのトラブルが続出。それから、特別養護老人ホームに入所するまで、老人保健施設や特別養護老人ホームのショートステイを利用しながら、なんとか在宅介護を続けました。

一方、そんな義母と同居していた義父(当時82歳)は足が悪く、数年前から車椅子の生活です。意識はしっかりしているけれど身体が不自由な義父と、足が丈夫でどこにでもフラフラと出かけてしまう認知症の義母。まったく、サイアクの老夫婦所帯でした。

夫は3人兄弟の末っ子です。長兄は両親と同居していましたが、離婚後、家を出てからほとんど音信不通状態が続いています。次兄は上京して、事業に成功したものの、49歳のときに肺がんで亡くなりました。夫が三男だということで、結婚後は私の方の姓になるなど、うちの両親からすれば、「婿に来てくれた」くらいに思っていたはずです。それなのに、まさかわが家が、夫の両親の面倒をすべてみることになるなんて。

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