2015年7月25日(土)

老親の「シモの始末」平静を装う息子・娘と、「手を貸さぬ」人との軋轢

介護の常識・非常識【6】

PRESIDENT Online スペシャル

著者
相沢 光一 あいざわ・こういち
ライター

1956年生まれ。月刊誌を主に取材・執筆を行ってきた。得意とするジャンルはスポーツ全般、人物インタビュー、ビジネス。著書にアメリカンフットボールのマネジメントをテーマとした『勝利者』などがある。

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相沢光一=文
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冷え切った夫婦の老老介護で虐待・放棄多発

老親のケアを誰がするのか?

決まった答えはありません。家庭によってさまざまなケースがあり、この問題を巡って悩んだり、人間関係に軋轢が生じたりすることが多いようです。

例えば、配偶者が元気な場合。要介護になった夫を妻が、あるいは妻を夫が介護する老老介護ということになります。実は在宅介護をしている家で一番多いのが、この老老介護で厚生労働省の調査によれば、介護される側もする側も60歳以上の世帯は全体の6割近くだそうです。

「長年連れ添った夫婦なんだから、一方が要介護になったら面倒を見るのは当然だし抵抗もないだろう」

はた目からはそう思うでしょう。しかし、言うまでもないことですが、長年連れ添ったからといって仲が良いとは限りませんし、色々と問題を抱え関係が冷え切った夫婦もいるわけです。そうでなくても介護は精神的、肉体的に大変で、感情をぶつけあうことも多々ある。

▼寝たきりの老親の世話をするということ

知り合いのケアマネージャーに聞いた話では、老老介護で虐待があったり介護放棄の状態になるケースはかなり数にのぼるといいます。また、老老介護では介護する側も衰えていますし、ネットで情報を得るといったことも苦手ですから、十分なケアはできないとのことです。

とはいえ、老老介護を私は詳しく取材したわけでもないので、ここでは触れません。

今回、取り上げるのは、私と『親の介護は知らなきゃバカ見ることだらけ』の著者でエッセイストの鳥居りんこさんが経験した、老親を子や家族が介護するうえで起こるさまざまな問題についてです。

私は寝たきりになった父親をほぼひとりで介護しました。りんこさんは要介護度が徐々に進むお母さんを3人のきょうだいのうち、主にお姉さんが介護し、りんこさんがそのフォローをするという形だったそうです。

その体験を語り合ったところ、同じ老親の介護でも家庭の状況によって悩みもかなり違いがあるのだな、と感じました。それについて書いていこうと思います。

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