2015年9月26日(土)

ただひとり崩れるのを待つだけ「老親の介護」で煮詰まる自分救出の「最終手段」

介護の常識・非常識【8】

PRESIDENT Online スペシャル

著者
相沢 光一 あいざわ・こういち
ライター

1956年生まれ。月刊誌を主に取材・執筆を行ってきた。得意とするジャンルはスポーツ全般、人物インタビュー、ビジネス。著書にアメリカンフットボールのマネジメントをテーマとした『勝利者』などがある。

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相沢光一=文
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介護をする人=「ケアラー」を支援する組織があった

介護は誰もが必ず経験する、というものではありません。老親がいても、急病や事故で亡くなることもある。突然訪れる別れのショックや悲しみは大きいでしょうが、介護の苦労は味わわなくてすむわけです。

誰しも身内がどのような衰え方、死に方をするかなんて考えることはないものです。介護の問題は連日のようにメディアで取り上げられますし、年老いた親を見ると「いつかは自分が介護をすることになるかも」と薄っすら頭に浮かぶことはあるかもしれませんが、何もないうちはしょせん他人事。その時に備えて知識や技術を身につけておく人はほとんどいないはずです。

だから、いざそうした事態に遭遇すると慌てることになります。

まず、どこに相談して、どんな手続きをしたらいいかがわからない。それでも非常事態ですから、役所に連絡するなりして、なんとか相談窓口にたどり着く。そこで介護保険のことや介護認定の手続き、介護サービスなどの説明を受けるわけですが、聞いたこともないような専門用語が出てきて、かえって混乱することも多いです。そんな経緯を経て、怒濤の介護が始まります。

そうして会うことになるのが、ケアマネージャー(以下、ケアマネ)。要介護者(自分の親や伴侶など)の状態やその家族に合ったケアプランをつくり、介護サービスの手配などをしてくれる要の存在です。

介護ドキュメントの項でも書きましたが、うちを担当してくれたケアマネはとてもいい方で、こちらがわからないことや介護をするうえでの悩みなど、どんな相談でも平易な言葉で親切に答えてくれました。

ところが、介護業界の方々に話を聞くと、そのようなケアマネは実は少数。通常は、上から目線で「素人は我々専門家に従っていればいい」という姿勢で接する人が多いそうです。

こちらは、介護の初心者で知識はゼロに等しい。ケアマネに「おんぶに抱っこ」してほしいという意識もありますから、そうした態度を取られると黙らざるを得ない。委縮して悩みの相談などできなくなります。

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