アベノミクスでいくら給料が上がっても物価高では、生活がジリ貧だ。賢い投資法の伝授と堅実な家計の設計をお金のプロ、ファイナンシャルプランナー 北見久美子さんに依頼した。

須藤家の状況

須藤さん:42歳 会社員/妻:40歳 パート/長男:11歳/長女:10歳
年収(税込み):夫900万円、妻80万円/貯金:80万円

夫の年収900万円に妻のパート代80万円を加えると、須藤家の年収はほぼ1000万円。にもかかわらず、貯蓄額はわずか80万円。贅沢をしている意識はないのだが、家計簿には毎月4万7000円前後の赤字が生じているため、貯蓄ができないのだ。ボーナスは赤字補てんで50万円を超え、貯蓄に回すのは7万2000円がやっと。

長男は小学6年生、長女は小学5年生。来年、再来年と私立中学受験が続き、入学金や授業料といった教育費が大きく増える見込み。高校、大学も私立へ進学することになりそうだが、何とかなると楽観している。夫婦で買い物が好き。新製品の家電や家具はすぐに欲しくなる。

北見久美子ファイナンシャルプランナーの診断

年収1000万円の家計簿として見れば、突出して多い費目は見あたらない。それはむしろ困ったことで、各費目にまんべんなく付いている「ぜい肉」をそぎ落とすために、根本的な家計の立て直しが必要になる。

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須藤家の家計簿診断結果

まず貯蓄が少なすぎるので、500万円を目標に貯められる家計をつくることを夫婦で誓おう。例えば食費。夫婦で酒を飲むのはいいとしても、子連れで居酒屋へ行かずに「宅飲み」に徹して5万円に抑えたい。通信費のスマホ3台も多い。このままだと来年には4台になってしまうので、スマホの解約条件や解約費用を勘案しつつ、ガラケーに戻すことも検討しよう。月1回しか行かないスポーツクラブ代もムダ。退会するか、安い料金プランに変更を。このように少しずつ削っていって赤字をなくし、貯蓄ができる家計を目指す。

ボーナスはローン返済分以外を貯蓄に回すくらいの覚悟が必要。夫の小遣いになる20万円は明らかに不要。それなのに妻が強く言えないのはパート代を家計に入れているように見せつつ、各費目から小遣いをねん出しているためではないか。

収入をもっと増やすために、妻は年収130万円程度までパート時間を増やすことも考えたい。2人分の教育費を用意するために、残された時間は少ない。