2015年4月24日(金)

なぜ、安倍総理は「神憑り」「霊能師」を信じるか

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PRESIDENT 2015年5月4日号

AFLO=写真
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阿倍倉梯麻呂が建立した寺院

だが北村家に頼らずとも、安倍家じたいが、もともと霊能師の血筋を引いているという話もある。安倍家は映画「陰陽師」で有名な、あの呪術師の安倍晴明とルーツが同じというのである。

奈良県桜井市に「安倍文殊院」という寺院がある。大化の改新(645年)創建という由緒ある寺院だ。この寺院の一角に「安倍晴明堂」と安倍晴明に関係する資料の展示スペースがあって、平安時代に亡くなった安倍晴明を偲ぶ法要が定期的に行われているのだが、実は、この寺院には「第90代内閣総理大臣」と書かれた安倍氏の献灯碑もある。寺院の説明によると「2010年頃に安倍氏がお参りになって寄進していただいた」という。

「日本書紀に出てくる大彦命が安倍氏の祖で、その後、大化の改新で初代の左大臣になった阿倍倉梯麻呂(くらはしまろ)が当寺院の前身・安倍寺を建立しました。この倉梯麻呂が全国の安倍氏(阿部、安部などすべての『アベ』氏)の太祖で、安倍晴明も安倍首相の安倍家のルーツも倉梯麻呂です。遣唐使の阿倍仲麻呂も一族。当寺院にはかつて阿倍仲麻呂の屋敷もありました」(同寺院の説明)

安倍文殊院は「御祈祷の寺」として知られ、陰陽師の安倍晴明はとくに大事にされている。また同寺院で行われた法要に安倍首相の母の洋子さんが訪れ、「安倍晴明公を誇りに思います」と挨拶したこともある。

ちなみに阿倍倉梯麻呂の子孫に平安時代中期の東北の武将、安倍貞任、宗任の兄弟がいる。2人は前9年の役で朝廷軍と戦って敗北。貞任は死んだが、生きのびた宗任の子孫のうち、山口県に落ち延びた一族が安倍家の直接のルーツとされる。13年7月の参院選で岩手県入りした安倍首相は演説の中で「安倍貞任の末裔が私になっている。ルーツは岩手県」と話した。

荒俣宏の小説『陰陽師鬼談』で安倍晴明は「この世は魔道」ゆえに物の怪を払い、幸運を恵む陰陽師が必要とされると言った。政治という魔道を往く首相も陰陽師の力を借りたい?

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