次に危ないのはこの人だ!

日本の球界ではトップに君臨したピッチャーたちが、海を渡ってメジャーリーグ(MLB)の舞台に立つと、深刻な怪我を負う事態が頻発している。

3月6日、ダルビッシュ有(レンジャーズ)の右肘側副靭帯の損傷が発覚、靭帯の修復手術(トミー・ジョン手術)を受けることになり、今季の出場が絶望的となった。

2015年MLBオープン戦初登板、右上腕三頭筋の張りを訴え降板。翌日、靭帯断裂が発覚した。(写真=AFLO)

昨年7月、田中将大(ヤンキース)の右肘靭帯部分断裂が発覚したことも記憶に新しい。そのほかにも、2011年に松坂大輔(今季からソフトバンク)、12年に和田毅(カブス)、13年に藤川球児(レンジャーズ)が肘の靭帯を損傷。同級生である3人が靭帯の修復手術を受けた。日本人ピッチャーの身に、何が起きているのか。

怪我の遠因は諸説あるが多くの日本メディアが報じているのは、MLBが日本のプロ野球と異なるボールを使用していること、日本より短いサイクルで先発投手の登板機会が回ってくるとする、“過酷説”である。

元巨人の投手で、ロサンゼルス・ドジャースのスカウトを13年務めた小島圭市氏に話を聞いた。アメリカのマイナーリーグでもプレー経験があり、日米の野球事情を知る人物である。

「ベースボールと野球の違いはあると思います。日本のボールよりアメリカのボールのほうが重いわけですから、当然、負担がかかります。登板間隔についても同じことが言えます。人間には慣れというものが存在しますから、適応に時間がかかります」(小島氏)

とはいえ、これだけが原因とは思えない。なぜなら、黒田博樹(今季から広島)、上原浩治(レッドソックス)といった投手は、大きな怪我をしていないからである。