食中毒が起きていることを知らずにヒラメの刺し身に舌鼓を打っている人が多い。この食中毒はヒラメなどの魚の筋肉に寄生する粘液胞子虫のクドア・セプテンプンクタータによるもの。2014年のヒラメのクドア食中毒は30件(厚生労働省速報値・14年12月2日付)に上り、13年を上回っている。年末の12月13日には滋賀県長浜市で6人の中毒患者が出た。

東京・銀座で昨年10月14日に起きたヒラメの食中毒事件(http://president.jp/articles/-/14260)では、築地卸売市場の仲卸業者が国内養殖モノとして料理店に販売したヒラメが、実は韓国・済州島の養殖モノの“偽装”だったことが発覚。飲食店は保健所から営業停止命令を受けたが、仲卸業者は口頭注意だけ。

この処分の不公平さについて食品衛生や卸売市場を監督する東京都は、「仲卸業者が産地情報の伝達の必要のない飲食店に販売する際に、誤った産地情報を伝えた事例です」(東京都政策企画局報道課)と回答。つまり、スーパー等で消費者に直接販売する魚介類等については卸売業者には産地情報を伝達する義務があるが、飲食店に販売する場合は義務づけられておらず、処分してないというのだ。偽装のような犯罪行為や常習性が疑われる場合には、不正競争防止法に抵触する可能性もあるので、銀座の件は警察に情報提供を行ったという。そして都は、クドアなど魚介類の寄生虫全般のリスクについて、ホームぺージやパンフレットで周知に努めていると胸を張るが、なぜか韓国産についての注意喚起は怠る。

食中毒が発生するヒラメは養殖モノが多くを占める。日本で消費されるヒラメの半数は漁獲で、残りは国内と韓国の養殖モノが各2分の1ずつ。国内の養殖ヒラメでは養殖方法や検査証明書の発行などの対策が進み、ほとんど発生しなくなっている一方、食中毒で行う流通や産地の遡り調査の結果、韓国産が原因になる事例が多い。

都が実施すべきは、安全な国産ヒラメの注意喚起ではなく、危険な韓国産の注意喚起だ。このままヒラメの刺し身すべてが危険とされれば、国内の業者は大打撃を受けてしまう。韓国びいきと噂される舛添要一都知事には、適切な対応が求められる。