2014年12月1日(月)

生涯年収4760万円アップにつながる「外見力」の磨き方

達人に学ぶ「伝わる技術」 第44回

PRESIDENT Online スペシャル

著者
上野 陽子 うえの・ようこ
コミュニケーション・アナリスト

上野 陽子カナダ・オーストラリア留学後、ボストン大学コミュニケーション学部修士課程でジャーナリズム専攻、東北大学博士前期課程で人間社会情報科学専攻修了。通信社の国際金融情報部、出版社、海外通販会社役員などを経て現在に至る。著書に『スティーブ・ジョブズに学ぶ 英語プレゼン』(日経BP社)、『名作映画いいとこだけの英会話』(ダイヤモンド社)、『コトバのギフト~輝く女性の100名言』(講談社)、『1週間で英語がどんどん話せるようになる26のルール』(アスコム)、『Primeシリーズ1・ビジネス英語新人研修―女子のフレーズー』(ジャパンタイムズ)ほか多数。

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上野陽子=文
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生涯年収の高さは外見で決まる?

大森さんも言及なさったのだが、米国テキサス州立大学の労働経済学者ダニエル・ハマーメッシュ教授は著書「Beauty Pays : Why Attractive People Are More Successful(試訳:なぜ魅力的な人がより成功するのか)」の中で、「美しさがもたらす所得の割増」を検証している。あくまでも主観が入る実験であり特定の条件下での検証ではあるが、興味深いのでご紹介させていただこう。

その人の造作だけでなく、好感度も含めた評価を5段階で分けたところ、平均以上(評点5~4)の人は、平均以下だった(評点2~1)人に比べると平均生涯賃金が23万ドル(114円換算で約2600万円)多かったという。この所得差を17%として、大阪大学の大竹文雄教授が日本での条件にあわせて換算している。それによれば、日本の大卒平均の生涯所得を2億8000万円とすると、平均以上の人の生涯賃金は平均以下の人より4760万円多くなるとの試算もみられた。

また、ハマーメッシュ教授の見解では、18~30歳のビジネスパーソンにそこまで大きな変化は出なかったものの、年齢が上がるにつれてその差は顕著になるとしている。若さで許された部分が、年齢とキャリアを重ねるにしたがってシビアになるため、より一層身だしなみに気を付ける必要がありそうだ。

「伝えたい自分を誤解なく効果的に伝えられることで、相手に信頼感を与え、ビジネスをパワフルかつ有利に進めることが可能になります」と大森さんは話す。キャリアにあわせた外見に気を配るだけでも、どんな場面でも自信が持てるようになる。その自信で、自分が望む交渉を手に入れるにも、有利に働くはずだ。

ハリウッドの黄金時代にスタイリストとして活躍し絶大な支持を得たイデス・ヘッド(注1)もこんな風に語っている。

「手に入れたいものにふさわしい服装さえしていれば、人生で欲しい物は何でも手にすることができる」

もちろん服装がすべてではないが、その場面で自信が持てる服装をしていることが自分を押し上げて、思う以上の成果につなげられるだろう。次回は、大森さんにうかがったABCの中から「B =ビヘイヴィア(Behavior)立ち居振る舞い」、「C=コミュニケーション(Communication)」をもう少し具体的にお伝えさせていただこう。

[脚注・参考資料]
注1:イデス・ヘッド Edith Head 1897年‐1981年 衣装デザイナー 巨匠ヒッチコックに信頼されたほか、『明日に向かって撃て!』、『スティング』などで男達に粋なファッションを与えた映画衣裳の第一人者。『ローマの休日』では、オードリー・ヘップバーンの華奢な鎖骨を隠すために、ベスパで走り回る彼女の首にスカーフを巻いてファッショナブルに仕立てるなど、着る人の弱点をフォローする手腕で絶大な支持を受けた。モナコ王妃となったグレース・ケリーの服装も手掛けている。

大森ひとみ『「みかけ」が仕事を決める!』 2012年 世界文化社

Daniel S. Hamermesh, BEAUTY PAYS ; Why Attractive People Are More Successful, 2011, Princeton University Press

NHK「オイコノミア」, 美しくなる経済学!? , 2013年6月21日放送

上野陽子『コトバのギフト~輝く女性の100名言』 2012年 講談社

Daniel S. Hamermesh and Jeff E. Biddle, Beauty and the Labor Market, 2001

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