2014年9月16日(火)

「ロト6」詐欺犯の怪しいメールに返信してみたら

ワルの経済教室【9】

PRESIDENT Online スペシャル

著者
多田 文明 ただ・ふみあき
ルポライター

キャッチセールスや悪質商法の実態に詳しいルポライター。『キャッチセールスルポ―ついていったらこうなった(文庫本)』(彩図社)『クリックしたら、こうなった』(メディアファクトリー)など、騙され体験の実況中継記事に定評がある。最新著に『あなたはこうしてだまされる 詐欺・悪徳商法100の手口』(産経新聞出版)。

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ルポライター 多田文明=文
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「当せん番号をメールにて連絡致します」

近年、ロト6などの数字を選択式して買える宝くじに絡む詐欺が急増している。ちなみに、ロト6では、6個の数字がすべて当たると1等になり、理論上1億円の配当になる。

私のもとにはあやしいスパムメールがよく届く。あるとき、「ロト6の攻略情報を教える」というサイトに飛ぶようになっているメールがきた。

そこでこのサイトに、名前、電話番号を書き込み、無料会員の登録をしてみた。すると、30分もしないうちに、業者の男から電話がかかってきた。

「ご登録ありがとうございます。会員様には、ロト6抽選日のお昼までに、5等(6個の数字のうち3個が一致:理論上の当せん金額は1000円)の当せん番号をメールにて連絡致します。ただし、当せん番号を購入した結果については、会員様の方から翌日に必ず電話での報告をお願いします」

私が「わかりました」と答えると、男は「公益情報」なるものについて話してきた。

「公益情報とは、すでに決まっている当たり番号のことです。私どもは財団法人からこの情報を買い付けています。この情報を入手できるのは、全国でも7社しかありません。その1社が当社です」

そして業者が事前に分かっている当せん番号の情報を「買ってください」とでも言ってくるものかと思ったが、そうではなかった。男は「この話はまた機会を改めて」といって、さっと切り上げた。

これは騙しの情報をさりげなく切り出すことで、私がこの話に乗ってくる人物かを見分けるための“試験”である。私が懐疑的な姿勢をみせなかったので、業者はすぐに、5通りの「5等の予想数字」のメールを送ってきた。

そこで、私は売り場に行き、業者のいう番号を5口分買ってみた。そして家に戻り、その夜に行われるネットのライブ中継で、抽選会の様子を見守ったが、すべてハズレた。何とも役に立たない情報である。

翌日、私が業者へ電話をすると、男は平然とこう言った。

「あなた様にはID費用として1000円を振り込んで頂きます」

無料会員であるはずなのに、金を請求するとは。本当はここで言い争いをしてもよかったが、これでは業者の手の内がわからないので、「わかりました」といって、1000円を振り込んだ。

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