2014年7月28日(月)

嫌われケチと、愛されケチの境目は

PRESIDENT 2014年8月18日号

著者
佐藤 留美 さとう・るみ

佐藤 留美1973年東京生まれ。青山学院大学文学部教育学科卒。出版社、人材関連会社勤務を経て、2005年、企画編集事務所「ブックシェルフ」を設立。20代、30代女性のライフスタイルに詳しく、また、同世代のサラリーマンの生活実感も取材テーマとする。著書に『婚活難民』(小学館101新書)、『なぜ、勉強しても出世できないのか? いま求められる「脱スキル」の仕事術』(ソフトバンク新書)、『資格を取ると貧乏になります』(新潮新書)、『人事が拾う履歴書、聞く面接』(扶桑社)、『凄母』(東洋経済新報社)がある。東洋経済オンラインにて「ワーキングマザー・サバイバル」連載中。

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佐藤留美=文
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同じ「蓄財上手」ながらも、人から「ケチ」と揶揄され蛇蝎のごとく嫌われる人と、倹約家として尊敬される人がいる。両者を分ける“境界線”とは、何なのか?

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ここが決定的な違い!

節約アドバイザー丸山晴美さんは、「それは使い方のメリハリ」だと断言する。「倹約とは、ある目的のために無駄を省いてお金を貯めること。よって、倹約家は、その目的のためにはきちんとお金を使います。ところがケチは、常日頃から出し惜しみし、出すべきときにも出さない。だから、人から嫌われてしまうのです」

典型的な「出すべき金」の一つが、ご祝儀や葬式の香典など慶弔費だ。「倹約家は、基本、人付き合いを大事にし、義理にそむくことはしないため、冠婚葬祭には惜しみなくお金を使います。ところがケチは、人の祝い事や不幸にもお金を惜しむのです」

たとえば、知人への結婚のご祝儀が1万円以下と学生並みだったり、「ドタキャンした揚げ句、お祝いも出さない」なんて人は、ケチの典型だ。「そういう人は、ホームパーティーに呼んでも、手土産一つ持ってきません。しかも、家族連れで来て、ほかのパーティー参加者やホストに子守りまでさせたりします。揚げ句の果てには、残った食材を『もったいないから持って帰るよ』と持ち帰ってしまうなんて話もよく聞きます」

なぜ、そこまでがめついのか? その背景には、「自分さえよければいい」という自分本位の考え方がある。「ケチを一言で形容すると、ずうずうしい。だから、人には『してもらって当たり前』『○○をもらって当たり前』だと思っています。まるで『あなたのものは私のもの、私のものは私のもの』がポリシーのジャイアンと一緒ですね」

古代ギリシャの詩人テオグニスは、「悪い人間に親切をすると2度ひどい目にあう。 金を失って、しかも感謝されない」と言ったが、まさにその「悪人」を実践してしまうのがケチのケチたる由縁だ。

「結婚式の2次会の司会をしてもらった友人に対してご馳走するなどのお礼もしない。出産祝いを頂いた人に内祝いも返さない。車を持っている人に、いつも自宅まで送らせる。人のものを欲しがる……。ケチと言われてしまう人には、このような共通する行動特性が散見されます」

酷いケチになると、人が持っているものを「飽きたら、ちょうだい」だとか「使わなくなったら譲って」などと「予約」までしてくるという。

「しかも、あげたものも大事にはしてくれず、ネットオークションで売って小遣い稼ぎをする猛者までいます」

つまり、「タカリ根性」丸出しで人に不愉快な思いをさせるのがケチ。一方、節約家は「こっそり黙って節約をし、周囲を巻き込まない」。

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