みんなのウェディング 中村義之
1984年生まれ。筑波大学卒業後、2008年、ディー・エヌ・エー入社。10年4月より同社の社内プロジェクトだった「みんなのウェディング」事業に参画。同年10月、分社化に伴い、株式会社みんなのウェディング取締役マーケティング部長に就任。

この会社がDeNAから分社化されて、もう3年が経つんですね。部署を異動して少ししてのことでしたが、投資家の方から「新会社の役員をやってみるのはどうか?」と声をかけていただき、会社の立ち上げメンバーの一人として参加することになったとき、当時の僕はまだ26歳でした。

就職したのが2008年なので、そこから数えると社会人になって6年。何だかすごいスピードで時間が進んでいる気がします。去年、「ああ、もう5年経ったんだ」と思って、次の5年はきっともっと早く過ぎていくんだろうなあ、と怖くなりました

でも、どうして怖くなるんだろう? 考えてもよくわからないのですが、おそらくこれまでのキャリアの中で、自分が一人だけの力で切り開いたものが何一つないからかもしれませんね。結局、学生の頃は自分一人の力で――なんて思っていても、社会人になると実際には本当に一人で成し遂げられることって少ないんだな、と実感します。それなら、とにかくもらった機会を無駄にしないように頑張らなければならない、この幸運を何としてでも生かして、恩を戴いた人たちに返していかなければならない。そんなふうに思うようになったんです。

よく5年後や10年後の自分を思い描いて、それに向かって努力をするんだと言う人がいます。確かにその通りではあるのですが、僕の場合はあまり将来の自分を想像したり目標を決めすぎたりしないようにしているんです。これは学生のときから考えていたことだけれど、現時点で想像できる5年後の自分の姿なんて、所詮は今の自分が想像できる範囲内に過ぎないわけです。その程度の枠内に収まっているような5年後だったら、ちっとも面白くない気がします。

いまの僕はDeNAに入社した頃の自分が考えてもいなかったような仕事をしているし、今後も同じように想像もしなかったような日々を送っていきたい。だからそのときそのときに与えられた条件や選択肢の中で、自分の価値観に合っていると感じられる選択を続けていって、点と点を繋いでいく。そうやって一生懸命に頑張って、前に突き進んでいこうっていう感じですね。