2014年5月22日(木)

「働きがいのある会社」って何だろう

働き方のリアル ベンチャー篇【4】みんなのウェディング 飯尾慶介

PRESIDENT Online スペシャル

著者
稲泉 連 いないずみ・れん
ノンフィクション作家

稲泉 連

1979年、東京都生まれ。2005年、『ぼくもいくさに征くのだけれど』で大宅壮一ノンフィクション賞を史上最年少で受賞。その他の著書に『仕事漂流』『復興の書店』など。

執筆記事一覧

稲泉連=インタビュー・構成
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みんなのウェディング 飯尾慶介
1975年生まれ。大学卒業後、トーハンを経て、2006年、ディー・エヌ・エー入社。同社の社内プロジェクトとしてみんなのウェディングの立ち上げに携わる。10年10月、株式会社みんなのウェディング設立、代表取締役就任。

今年の3月25日、僕らは東証マザーズに上場したばかりです。あの日の前日、部長以上のメンバーを集めて、会社のこれまでの歩みを振り返るミーティングを開いたんですよ。

普通だったらそういうことは式典の後にやるものなのかもしれませんが、僕は上場の日を特別な日にしたくなかったんです。みんなが舞い上がってしまうのがとても怖くて、「決して上場がゴールではなく、目線を上げてやって行こう」と自分たちの会社や事業の存在意義を確認し合っておきたかった。

取引所で鐘をついたときは、なんというか、ほっとしたというような気持ちにはまったくならないものなんですね。むしろ気が引き締まり、会社が本当の意味で公のものになったんだ、っていう強烈な感覚ばかりが胸に残りました。

もともと「みんなのウェディング」はDeNAのサービスで、2010年にモバゲーの急速な事業拡大を受けて、分社化されたという経緯がありました。当時はソーシャルゲームがものすごい勢いで伸びていたので、やっぱり選択と集中の観点から言えば、社内のリソースはモバゲーに向かっていくわけです。その中で「みんなのウェディング」はDeNAの中に閉じ込めておくよりは、独立した会社とした方が短期間で成長させられるんじゃないか、という判断がなされたんです。その意味では、ポジティブな理由だけの起業ではなかったとも言えます。

ただ、僕としては2008年2月のサービス開始以来、朝から晩までどっぷり浸かっていたサービスだったので、この事業は自分の子供みたいなものでした。何しろ仲間と一緒に昼食を食べているときも熱に浮かされたみたいに議論を交わしてきたし、帰宅の際に最寄り駅ではない方の駅まで、わざわざ歩いてサービスの話を続けるくらい熱中しましてね。2年近く飽きもせずにずっとそのことばかり考えてきたんですから。なので、(DeNA創業者の)南場(智子)さんからこの話を持ち掛けられたときは、素直に嬉しかったです。

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