(PIXTA=写真)

コネチカット大学のアームストロング博士らが発表した論文によれば、水分の損失が体重の1%以下でも、記憶力の低下や認知エラーが起こるといいます。1%の水分損失では頭痛もノドの渇きも感じないし、この程度の脱水は夏だけではなく、1年中起こり得るレベルです。

朝、学校に着いたときに検査をすると、すでに大半の子供たちが脱水症状であることがわかっています。

また、イギリスで小学校低学年の児童を対象に物語を読み聞かせて、物語の内容を4択問題で思い出させたところ、事前(20分前)に約200ミリリットルの水を飲んだ児童のほうが10%も点数がよく、特に難しい問題の正答率が高いという結果が出たそうです。

脳は体の中でも特に水分の多い器官。総重量の70~80%が水です。そう考えると身体に症状が出るより先に、脳機能に水分不足の悪影響が表れるのはむしろ当然のことかもしれません。

もちろん朝だけに限った話ではありません。子供が水分不足にならないように、本人だけでなく、親や学校の先生みなで気遣うことも重要です。

ちなみにお茶やコーヒーで水分補給すると、利尿作用でかえって水分を失うので注意しましょう。

睡眠前の勉強が効果的な理由

さて、昼食後に眠くなる午後の時間帯を経て、夕方は再びライオンが狩りをする時間帯になります。午後4時くらいから夕食の時間までは、脳が活性化して記憶力が高まってきます。

今日中にやらなければいけない宿題や課題は、夕食前までに片付けておくほうがいいでしょう。

午前中、夕方に続いて、記憶力が高まるのが就寝前の時間帯です。

睡眠と学習、記憶には深いかかわりがあります。

語学の勉強をした後にテストをして、勉強前に比べてどれだけ点数が上がるかを調べた実験があります。もちろん、勉強した直後にテストをすれば点数は上がります。しかし、勉強した後でいつものように睡眠を取ってもらって、翌朝にもう一度テストを行うと、勉強直後のテストよりさらに成績が上がることがわかりました。

勉強した分、知識が増えるので、テストの点数が上がるのはわかりやすい話です。しかし、睡眠後に点数が上がるのはどうしてでしょうか。寝たからといって、知識の総量が増えるわけではありません。

実は睡眠には、脳に蓄えた知識を整理整頓して使える状態にする役割があることがわかっています。知識の量が変わるのではなく、知識の質が変わるわけです。