――第1次内閣の後、安倍首相は政治家として変貌を遂げましたか。
(時事通信フォト=写真)

【菅】いまは余裕があると思います。第1次内閣では、あれもこれも、とにかくやろうとしました。政権として必要だからと思って取り組んだけど、国民にあまり理解されていない部分がありました。今度は、政策を進めるのに順番を決めて1つ1つ整理してやっていこうとしています。時間をかけて丁寧に説明し、国民と対話しながら、これくらいだったら大丈夫と見極め、そろそろいいじゃないかと思ったら勝負するという感じです。

第1次内閣の失敗の教訓は大きい。首相辞任後、復帰までの5年余で経済をすごく勉強されたと思います。

――「順番に」という取り組みは長期政権を想定しているからですか。

【菅】長期というよりも、1番の問題から取り組んでいくということです。

オバマ大統領との関係はよくなっている

――安倍内閣は集団的自衛権の行使の制限撤廃に意欲的ですね。

【菅】尖閣や北朝鮮の問題がありますが、何よりの抑止力は日米の信頼関係です。集団的自衛権の問題を確実に実行する必要があります。

――アメリカは日本に集団的自衛権の行使が可能になる形を望んでいると見ていいですか。

【菅】アメリカも当然望んでいると思います。日本として行使を可能にするべきだと考えます。たとえばある国がミサイルを発射した場合、公海上に日米のイージス艦がいて、アメリカが攻撃されても、日本は攻撃できません。現実問題として、そんな状況では、日米同盟は機能しなくなってしまう不安があります。日米安全保障の信頼感が重要です。

――憲法改正は安倍首相の持論ですが、今後、どんなスケジュールで。

【菅】まず臨時国会で経済対策、国家安全保障会議(日本版NSC)設置法案、それに伴う特定秘密保護法案、国家公務員制度改革法案や社会保障制度改革のプログラム法案などをきちんと成立させた後、集団的自衛権に取り組む。憲法はそれから先の話だと思います。