こうした目線で先の回答「優先順位に従って仕事を片づけているか」に戻ると、その中身の違いが透けて見えてくる。年収500万円台の人の場合は、もしかすると目先の緊急事項に追い回されて優先順位をつけているのかもしれない。それに対して、年収1500万円以上の人は「緊急ではない将来の重要事項」に優先順位をつけている可能性が高い。

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「人生の目的やビジョンを常に意識」が1500万以上は、あてはまる人だけで4倍

ビジネスの場における「緊急ではない重要事項」には、業務改善、マニュアル化、社内外のコミュニケーション強化や人材育成、自己啓発などがあるだろう。これらは「未来への投資活動」と「問題を未然に防ぐ予防活動」と言い換えることができる。

予防活動を行えば後々仕事がスムーズに運ぶだろうし、投資活動は使ったお金がやがて何倍にもなって返ってくる。ここに将来的な年収差を生む種があるのではないか。

何に投資して、何を予防すべきかは、1人ひとりの目的やビジョンによって異なってくる。例えば、金融の専門家になりたいと思えば、残業時間を削ってでも金融系のセミナーに通うだろうし、経営者を目指すなら勉強よりも人と会う時間を増やすかもしれない。

アンケートの結果を見ると、「人生の目的やビジョンを常に意識している」人は、「少しあてはまる」まで含めると年収1500万円以上ではほぼ7割に上るのに対して、500万円台では4割程度に留まった。「あてはまる」と回答した人だけを見ても、年収1500万円以上が500万円台の4倍近い。

この結果から、人生の目的やビジョンが明確な人ほど、意思をもって投資活動や予防活動に着手し、結果的に年収が高くなっていくことが考えられる。