匿名掲示板2ちゃんねるで前代未聞の個人情報漏えいが発覚した。9月5日現在、サーバ管理会社であるN.T.Technology社の発表によれば、流出したのは約2年分、延べ3万7000件。メールアドレス(2ちゃんねるビューアID)、同パスワード、クレジットカード情報、名前、住所、電話番号、登録時のIPアドレスだ。2ちゃんねるビューアとは、年間33ドル払えば過去ログを読めたり(一般に時間が経過した書き込みは読めなくなる)、書き込み規制中のプロバイダでも利用できる機能。書き込みの多いユーザーに人気がある。

一般に個人情報漏えい事件といっても、多くは紛失、誤廃棄であり、流出も氏名やメールアドレスなど軽微なものも少なくない。しかし今回の件では、書き込まれたデータすべてに、書き込んだ本人にまで辿りつけるだけの情報が流出した。カード情報でいえば、セキュリティコード(一部)、名義、有効期限まで流出。しかも、システム側がパスワードを暗号化せずに平文で保持し、読み取れる状態だったのだ。これは、他人がなりすましですぐさま不正利用できることを意味する。クレジットカード各社はいち早く、2ちゃんねる利用者に不正利用されても金銭負担をかけない旨の発表がなされた。

この件で1番怖いのは、匿名を盾に誰がどんなことを書き込んでいたかが明らかになってしまったことだ。2ちゃんねるが最も封印せねばならない部分が、白日の下に晒されたのだ。有名なライトノベル作家が他の作家を数百回にわたって誹謗中傷した事実が明らかになり、本人がホームページで謝罪に追い込まれた。某2ちゃんねるまとめサイトの管理人はあらし行為を謝罪、サイトの閉鎖を発表した。流出したメールアドレスからは、某政治家、某大学准教授の名前、中央省庁、マスコミ各社、商社、通信会社、国内外の有名大学まで驚くような名前が並ぶ。調査目的で利用している会社もあるだろうから一概には言えないが、自作自演、ステルスマーケティングに利用している会社など、今後非難されるケースも出てくるだろう。匿名だからネットの書き込みが絶対バレない、などということはないと肝に銘じるべきだ。