「将来起業したい人を採用しています」

フーズマーケット事業部部長 
保田朋哉 

1975年生まれ。慶応大学総合政策学部卒業後、住友商事入社。香港への駐在等を経て、IMDにてMBA取得。卒業後はマッキンゼーアンドカンパニー(ドイツ支社)に就職。帰国後2社のネット事業の立ち上げに関わった後、2011年9月クックパッド入社。創業者の佐野氏陽光は大学の先輩。

クックパッドの新規事業は食に関わるテーマであることを基本に、ネット上で商品やサービスの提供者とユーザーをマッチングするプラットホーム、あるいはポータルサイトとなっている。これなら同社が培った事業ノウハウやエンジニア、多数のユーザーといった資産を活かすことができ、多額の設備投資は必要ない。各事業の人員体制もコンパクトで、漢方デスク1人、クックステップ5人、やさい便6人(アルバイト含む)である。

「インターネットのサービスは、3人のチームがベストと言われているんです。エンジニア、デザイナー、そしてビジネス担当。多くなるとコミュニケーションコストばかりがかかる」(フーズマーケット事業部・保田朋哉部長)

本稿で取材した新規事業のリーダーは皆、「意味のある仕事をしたい」という意欲を持ち、リスクを負って事業を立ち上げた起業経験者である。これは穐田代表の明快な方針に基づくものであった。

「将来起業を考えているような人を採用しています。社内にはいないタイプ、起業志向の高いタイプの方を採用することで、社内に刺激を与えたい。彼らにとっても、新規事業の立ち上げを通して疑似起業体験ができます」(穐田代表)

起業経験者の採用は経営者の個人的なネットワークから行われている。穐田代表と石渡COOも創業者との縁による入社である。やはりこうした人材を一般的な求人で探すのは困難で、獲得にはネットワークの有無がモノをいうのだろう。直接のつき合いが長ければ、どんな人材かの判断をより適切に行える。

一方、彼らがクックパッドにジョインするのは「より早く自分のやりたいことができる」(保田部長)ことが大きい。それは同社の技術力やユーザーといった資源を活用できる環境があるからだ。加えて、その「やりたいこと」が経営理念に合致していることがある。