冬の食卓と言えば鍋料理。調査によると、約6割の人が週1回以上の頻度で鍋料理を食べており、その魅力の1位としては「野菜がたっぷりととれる(78.1%)」が挙がっています(出典:「『鍋料理』をテーマにした意識調査」アサヒグループホールディングス、2015年1月インターネット調査実施)。鍋料理は、からだが温まるだけではなく、栄養的にも嬉しい料理です。そこで今回は、企業や社会で活躍中の管理栄養士・栄養士134名に行ったアンケート結果から、鍋料理にぜひ使ってほしい具とその魅力をランキング形式でお届けします。
*「寒い冬にオススメ!ホットな食材」のアンケート
【調査概要】調査手法:インターネットリサーチ、調査対象:管理栄養士・栄養士134名、調査期間:2015年9月16日~10月31日、調査実施機関:食プロリサーチ
Q:鍋料理に入れる「野菜」としておすすめの食材は何ですか?
第1位:ハクサイ(39人)
第2位:ネギ(29人)
第3位:ニラ(21人)
ハクサイは水分だけじゃない!
鍋におすすめの野菜No.1には“ハクサイ”が選ばれました。「でもハクサイって水分ばかりじゃないの?」と思われるかもしれませんが、ハクサイは栄養面でもトップクラスの食材なのです。ハクサイには、消化をよくするイオウ化合物のイソチオシアネートと腎臓の老廃物を排出するカリウムが多く含まれ、内臓の調子を整える働きがあります。また、ビタミンCも多く含まれています。ビタミンCは水溶性なので、スープごと食べる鍋料理はぴったり。しかも他の野菜と比べて低カロリーなので、ダイエット食としてもおすすめです。
第2位は“ネギ”。ネギの青い部分には美肌効果のあるβカロテンが豊富に含まれています。一方、白い部分にはハクサイと同じくビタミンCが豊富。また、発汗促進作用もあり、代謝がよくなるので肌にもよい食材です。
第3位は“ニラ”。独特な匂いの元である硫化アリルには、血行を促進してからだを温める効果があります。また、疲労回復を促すビタミンB1や、抗酸化ビタミンであるビタミンA・Eを多く含んでいる優秀食材です。
Q:鍋に入れる「タンパク源」としておすすめの食材は何ですか?
第1位:豚肉(77人)
第2位:鶏肉(29人)
第3位:牛肉(9人)
ダイエット、疲労回復には豚肉のビタミンB1を
鍋におすすめのタンパク源No.1はダントツで“豚肉”でした。豚肉には、糖質を効率よくエネルギーに変えるビタミンB1が多く含まれているため、ダイエットや疲労回復におすすめ。また、ニラと一緒に食べるとさらに吸収がよくなるので、ぜひ鍋料理に一緒に入れてみてください。
第2位は“鶏肉”。鶏肉は、部位によって特徴が大きく異なるため、使い分けるのがコツ。ささみは脂肪分が少なく、ダイエットに最適。手羽先にはコラーゲンが多く含まれています。
豚肉、鶏肉に大きく水をあけられた第3位の“牛肉”。しゃぶしゃぶ、すき焼き以外で鍋に使われることはあまりありませんが、鉄分が多く含まれるため、貧血気味の人におすすめです。また、牛肉には脂肪燃焼に必要と言われるカルニチンが、豚肉の約2倍、鶏肉の約5倍含まれています。ダイエット食として牛肉が注目されているのもよく分かりますね。
Q:鍋料理のおすすめの食べ方は何ですか?(複数回答可)
第1位:野菜類から食べ始めるようにする(91人)
第2位:食材の味を大切にし、スープの味付けは薄めにする(75人)
第3位:緑黄色野菜を入れるようにする(64人)
上手に作ってダイエットや美肌、むくみ防止!
鍋料理のおすすめの食べ方No.1は“野菜類から食べ始めるようにする”でした。ダイエットは食べる順番、「まずは野菜から箸を付ける」ことが重要。鍋料理でも同様に、野菜類から食べ始めると、脂肪分の多い肉などの食べ過ぎを防ぐことができます。また、野菜に含まれる食物繊維には、おなかの調子を整える働きがあるため、その点からも肉類より先に手を付けるのがおすすめです。
第2位は“食材の味を大切にし、スープの味付けは薄めにする”です。塩分摂取量が多くなると、むくみが起きやすくなってしまいます。ただでさえ寒くてむくみが起きやすい冬。塩分は控えめにしたいですね。
第3位は“緑黄色野菜を入れるようにする”でした。鍋料理には淡色野菜が使われることが多く、緑黄色野菜が少なくなりがちです。美肌に必要なビタミン・ミネラルを多く含み、また抗酸化作用によるアンチエイジング、不足しがちな鉄分やカルシウムを含むなど、メリットがいっぱいの緑黄色野菜。鍋に加えるならば、冬場に旬を迎える小松菜やほうれん草、にんじんなどを特におすすめします。
11月は、管理栄養士・栄養士のアンケート結果を基に、「ホットな食材」について紹介してきました。12月のテーマは、気になる「年末年始の食生活」です。お楽しみに!
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