転職に際して問われるのは男女に関係なく、経験、キャリア、実績の3つ。大手に行くなら語学力は今や外資系に限らず日本企業でも必須に。

「語学力は要件というよりあって当たり前になっています。ビジネスで使えるTOEIC800点以上は欲しい」(外資系食品・人事)という。

最初の「経験」で重視されるのは、会社のブランド。マーケティング職ならP&G、コカ・コーラ、日本リーバ出身ならAランク。「キャリアが1~2年では実力がわからないので、少なくとも3~5年は必要。経験は大手企業ほど価値が高く、P&Gで5年間、マーケティングをやっていましたという30歳前後なら、どこでも引っ張りだこです」(消費財メーカー人事部)

とくに中途採用の多い外資系が狙うのは、大手日本企業に新卒総合職で入社した30歳前後の女性という。「外資は35~40歳になるとマネジャーとしての力量が求められる。日本企業はその年齢でマネジャーは少ないし、できれば30歳前後に入社して経験を積んでもらうのが理想」(外資系IT・人事)

マネジメント力は重要。「どんなに優秀でも、部下を育てられない人は採用しません。マネジメントの資質に加えて、キャリアアップしたいという意志と、自律的に動けるキャリア志向があるかどうかをみています」(外資アパレル・人事)

そして最終的な決め手になるのは人柄という企業が多い。1つは、どんな環境でもやり抜く覚悟を持ち、それが貫ける人。

「高度の専門性を持っていても、周囲と協調できない人はダメ。しかも権利意識が強く、出産・育休でも周囲に気を使うことなく当然の権利だといって休む人。休むにしても『産休に入りますが、最短で戻ってきますから』と気配りできる人は周囲も対応してくれます」(高級ブランド・人事)

加えて精神的にタフな人だ。「外から入ると、異質な人間と思われ、周りから有形無形の圧力を受けることになります。女性であればなおさら。それに耐えられる気力・体力を持ち合わせた人かどうかをチェックしています」(商社・人事)