いずれはCEOになる!

Yelp バイスプレジデント 新規開拓担当 Miriam Warrenさん

私はこれまでイギリス、フランス、ドイツ、オーストリア、オランダ、スペイン、イタリア、ベルギー、スイス、スウェーデン、デンマーク、シンガポール、日本、香港、オーストラリアと世界各国で新市場開拓の仕事に当たってきました。大学でエスニック・スタディーズ(民族学)を勉強したので、多様な民族の多様な文化に触れることにはもともと興味があったのです。

とはいえ、外国の見知らぬ街へ行けば、基本的なコミュニケーションは英語でとれても、その土地の言葉は話せませんから、孤独感を味わうこともあります。そういうときには「学生時代にもっと語学の勉強をやっていればよかった」と思いますが、Yelpは現在16カ国語に対応しているので、とても勉強しきれるものではありません。

そのように忙しく飛びまわる私を見て、「仕事とプライベートのバランスはとれている?」と心配してくれる人もいます。しかし私のなかで、仕事とプライベートは深く結びついています。世界中の街を訪れ、その土地ならではの食べ物や飲み物を味わい、買い物を楽しみ、サービスを受ける。それについて自分が思ったこと感じたことをパソコンに向かって打つ。これは素晴らしい仕事で、毎日つづけても飽きることがありません。

そのような魅力的な仕事をつづけるうちに、Yelpではバイスプレジデントまで昇進しました。しかし初めからキャリア志向だったのではありません。学生時代はそのまま大学に残って教授になりたいと希望していたくらいです。

働くなかでキャリアを意識してきたのはたしかですが、それよりも「すごくクールなことをやりたい」「カッコいいことをやりたい」と思いながら働いた結果、現在の地位に就いたというのが実感です。

社内で地位があがるほど、多くの人とつながることができます。キャリアを積もうと頑張っている人たちを助けることもできます。

そういう私自身もまだキャリアを積んでいる途中です。この次は、Yelpのシニア・バイスプレジデントに昇進することを目指さないといけません。その意味で、いま探しているのは、私を次のステップへと持ち上げてくれるような優れた人材です。

そしていつかは自分で会社を立ち上げ、CEOを務めたいという希望もあります。CEOになれば、組織の一部を任されるのでなく、会社全体に深く関わってリードすることができます。自分のチームをゼロから築きあげるのも魅力です。仕事で起業家に会ったり、起業家の本を読んだりするうちに、だんだんそう思えるようになりました。

いまの仕事はとても楽しいので、しばらくはYelpで働くだろうと思いますが。

勇気をもってチャレンジする

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Warrenさんのキャリア年表

今はまだ独身なので家事や育児に時間をとられませんが、Yelpでは多くの女性が結婚して子どもを産み、子育てしながら働いています。私が理想とする女性たちはみんな結婚して子どもがいます。だから私にもそういう働き方はできると考えています。子どもができたからと働く時間を減らすのでなく、もっともっとたくさん働くつもりです。

私は「結婚する気はないのか」「子どもをつくらないのか」と質問されることがよくあります。おそらく男性のエグゼクティブたちは「ワーク・ライフ・バランスはどうとっているか?」といった質問を受けたことはないでしょう。女性のエグゼクティブは、欧米であってもそのように特別な目で見られます。

日本でも、これから多くの女性エグゼクティブが登用されるでしょう。そのためには20代30代のうちから彼女たちのポテンシャルを見抜き、どんどん引き上げていくことが重要です。女性が女性を引き上げるだけでなく、男性も将来性のある女性を引き上げる。そしてスウェーデンのように、男女とも積極的に育児休暇がとれるような社会や企業へとみんなで変えていく努力も必要です。

しかし最も大切なのは、働く女性たちの意識です。女性が社会や企業で活躍していくには、「女性初の○○……」と言われるチャレンジがたくさんあります。そのときにためらいは禁物。失敗を恐れずに、勇気をもってぶつかっていく。より大きな仕事、よりやりがいのある仕事をめざして働く女性は、誰もが乗り越えていくことなのです。