(1)ダイニング発想とは、家族が食事をともにするダイニングを暮らしの中心に据え、より家族が自然に集まれる場にし、きずなを深めようという考え方。ポイントは、ダイニングが生活動線の交差点となるよう、ほかのさまざまな部屋とつながる間取りにすること。さらに、日当たりと風通しのよい快適な場所に配置する。そこに大きめのテーブルを置けば、子供が勉強をしている横で、パパやママは趣味を楽しむなど、食事以外にもさまざまな使い方ができ、おじいちゃんやおばあちゃんが加われば、お茶やおしゃべりを楽しむ3世代のコミュニケーションが生まれる空間にもなる。

(2)子供の自立心を育てる間取りのキーワードは「収納」と「動線」だ。例えば、ダイニングのそばに子供専用の収納スペースがあれば、学校から帰った後、遊んだりおやつを食べる前にランドセルを片づける習慣が身に付く。そして、宿題をするときにもすぐに教科書を取りに行くことができる。つまり、すぐに取り出せ、すぐにしまえる収納をつくることが、子供を片づけ上手にし、片づけを進んで手伝う子供に育つというわけだ。

また、外から帰ってきたとき、玄関を上がってすぐの場所に洗面台を設ければ、手洗い・うがいも習慣づけられ、自分で自分のことができるようになる。

自立心

「mamato」間取り例

収納と動線にこだわることで、子供は片づけやお手伝いが習慣になっていく。自立心が育つ間取りに注目。

 

(3)子供の五感を育てる庭の提案とは、家族や友だちと芝生を転げ回ったり、みんなで栽培した野菜を収穫したり、ふだんの遊びの中で視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚という五感とからだを発達させる仕掛けを庭に設けるアイデア。育てた花の鉢植えや子供の楽しい作品を並べて飾る「かざっちゃう門」、砂遊びができる「どろんこ広場」、水遊びや手洗いができる「じゃぶじゃぶシンク」など、子供に「遊びたい」という自発的な意欲をもたせる工夫が満載だ。

五感

ダイニングからすぐ出られる庭で、野菜を育てたり、四季の移ろいを感じることで五感を育む。家族一緒に楽しみたい。

 

また、家の中においても天然の木でつくられた無垢の床材を使えば、1年中、裸足で過ごしたくなるほどの温かみや柔らかさを感じられて、子育てにぴったり。「無垢の床は、子供も大人も気分が落ち着く」という調査結果もあるという。

どんな家づくりをするか――資金面で協力してくれるおじいちゃんやおばあちゃんと一緒に語り合うのもいいだろう。