39の「カレッジ」が生活の場
――普段は寮生活ですか?
【タイラーさん】多くの学生は寮で生活します。カレッジ(学生が生活したり、勉強したりする場。ケンブリッジ大やオックスフォード大など、イギリスの大学特有の制度で、ケンブリッジ大には31の、オックスフォード大には39のカレッジがあり、タイラーさんはオックスフォード大のペンブルックカレッジに所属)には寝泊まりする寮、図書館、カフェ、食堂、チャペル、バーなどがあります。
寮はシャワーやトイレは共同ながら、1人部屋です。2、3人ほどで1部屋をシェアする大学も少なくないようなので、比較的環境は恵まれているかもしれません。
ヨーロッパへの旅行資金を提供してくれるカレッジもあれば、暖房費を節約するなどお金に“シブい”カレッジも(笑)。カレッジごとに財政管理も独立しているので、このような差が生じるのです。カレッジ仲間と数年間寝食を共に過ごすので、家族のような絆が生まれると聞きます。孤独になりにくい環境だと感じますね。
ちなみに大学入学の出願も、大学ではなくカレッジ宛てに行います。私の場合、入学審査はペンブルックカレッジの日本語学の教授が行いました。
――日本人の学生はどれぐらい在籍していますか?
【タイラーさん】大学内でよく見かけますが、ほとんどが大学院生です。オックスフォードの大学院に来ている日本人は実家が裕福で、帰国生が多い印象を持ちました。
学校選びで…大学の「知名度」より大切なこと
母・夕湖さんにも話を聞いた。夕湖さんはタイラーさんを含む子供3人を、それぞれイギリスの名門大に入れている。
――イギリスのトップ大学の、現地から見た印象を教えてください。
【夕湖さん】オックスフォード大は文系、ケンブリッジ大は理系が強い印象です。例えるなら、どちらも日本でいえば東大。そのほかインペリアル・カレッジ・ロンドンは東京科学大学、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスは一橋大、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンは早慶のようなポジションといったら特徴がつかみやすいでしょうか。
――イギリスの大学選びで役立つ情報があれば教えてください。
【夕湖さん】大学の知名度よりも、大学で何を深く学びたいか、卒業後どこでどのような職業に就きたいかを念頭に考えるといいと思います。学部の評価も大切です。大学名にこだわり過ぎずと思います。
例えば日本ではあまり知られていないウォーリック大は数学に強く、400以上の企業と産学連携をして大きな成果を上げています。またUCLの経済学やLSEの建築学科は非常に評価が高いです。
海外大には日本のような“偏差値”という指標もありませんし、THE 世界大学ランキングで上位にランクインしている、していないにとらわれないほうがいいでしょう。
――学費の目安を教えてください。
【夕湖さん】イギリス在住者は国内どこの大学・学部であっても年間一律9250ポンド(約180万円)です。留学生の場合はもっと高額で、オックスブリッジは文系学部で年間3万5000ポンド(約680万円)、医学部、獣医学部はその倍になります。


