学校教育が親世代のそれとは大きく変わってきている中、家庭教育はどうあるべきだろうか。開成中学校・高等学校校長の野水勉さんは「今、家庭でやっておいてほしいことは何ですか」とのプレジデントFamily編集部の問いに「家事」と回答した。その真意とは――。
※本稿は、『プレジデントFamily2022年春号』の一部を再編集したものです。
開成の生徒が運動会に全身全霊をかけるワケ
開成高校は41年間、東大合格者数で全国トップですが、私は本校の本当のよさは、生徒の個性と自主性を重んじる校風にあると思っています。
たとえば運動会、文化祭から修学旅行に至るまで、学校行事は基本的に生徒たちが自主的に、自由に運営しています。
運動会は中1から高3までが縦割りで8色の組に分かれ、各学年の団体競技中心で行いますが、競技指導や応援(応援歌の作曲、応援席の壁絵制作も)は高3、運動会準備委員会の実務(会場設営、競技用具の作成、衛生・救護など)は高2中心と、役割分担をして大会を運営していきます。運動会を終えた直後から次の高3学年が各クラスで1年かけて侃々諤々と議論している姿は、私が在学していた頃と少しも変わりません。
こういう校風を継承してくれていることを嬉しく思うと同時に、こうした議論や活動が協調性、リーダーシップなどのソーシャルスキルを学ぶ、とてもいい機会になっていると感じています。
ちなみに私は、高1の秋から高2の春まで修学旅行委員を務め、九州という行き先は決まっていましたが、1週間の宿泊先、旅程などをすべて決めました。また同じ時期に、運動会準備委員会議長を担い、上級生からの厳しい批判を浴びる経験もしました。
こうした活動に責任を持って向き合い試行錯誤する中で、仲間のことも深く知り、互いの個性や才能が磨かれていくのです。



