図鑑やスマートフォンでは不十分な理由

そのほか、「創造力」を磨いていくために親にできることとは何でしょうか。

最適な遊びの一つが、「外遊び」です。季節や天気によって変化する外遊びには予定調和がないため、常に発見があります。子供たちは自然と関わりの中で五感をフルに働かせ、興味の赴くままに頭と体を動かしながら全身で遊ぶことができます。特に、幼児期は「脳の基礎体力」を育てる時期です。この時期に、遊びやさまざまな体験を通して得られるリアルかつインタラクティブ(双方向)な刺激を受け取ることで、子供の脳はぐんぐん成長していきます。

また、子供たちが好きなものの「実物を見せる」のも効果的です。電車が好きな子なら、駅や線路沿いの道に連れていって電車を見せる、動物が好きな子なら動物園に連れていく、昆虫が好きな子なら昆虫がいる山や川に連れていくなどです。

図鑑やパソコン、スマートフォンであれば、なんでも見せることはできますが、子供たちに与えるインパクトや、目や耳、肌で感じて吸収する情報量は、実物にかないません。

頭と手を使った作業としては、折り紙や用済みの段ボール箱などを使ったおもちゃ作りもおすすめです。これらも子供たちの創造性を高めます。

それ以外には、普段とは違う経験をさせることも有効です。その一例として、サマーキャンプに行かせることが挙げられます。サマーキャンプは親では教えられないことを子供に学ばせてあげる絶好のチャンスで、親と離れ、いつもとは違う場所、友だちと経験する非日常的な体験は大きな刺激となり、子供を成長させてくれます。

虫眼鏡で玉虫を見る女の子
写真=iStock.com/Hakase_
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その上で、将来子供が、AIと「共存」するだけでなく「活用」していくには「問題を発見し解決する力」も身につけることが必要です。そのためには、自分で考え、意見を発信する機会を増やすこと。探究型学習やディスカッション、グループワークなどの機会を小学生時代から与えるようにしてください。チームスポーツや演劇などがおすすめでしょう。

子供時代からAIと適切に共存し、AIを活用するスキルを身につけていくことが、これからの子供たちが未来を生き抜くカギとなります。