夢を決めさせるのはもったいない
親ができるのは、環境をつくることだけと言いました。それならいい学校に入れればいいのかといえば、その通りです。ただ、いい学校とは、偏差値が高い学校ということではありません。
何かに夢中になる楽しさを互いに刺激し合えるような友達関係が大切です。たとえばPTAに積極的に参加して、わが子の学校の環境をよりよくしていくのもいいでしょう。その意味では、どの学校でもいいのです。
刺激し合う環境という意味では、親の趣味に巻き込んでしまうのもいいですね。
私の子供時代には、釣りをしたり、星を観察したり、スーパーカーショーを見に行ったり、恐竜展に行ったり、両親は私の趣味をサポートしてくれました。好きなことを思いきりやらせてもらえたことに感謝しています。
今でも天体は好きで、今度は私が娘を一緒に連れて行きます。私が楽しんでいるのが伝わるんでしょうね。そのせいか、彼女は理科のなかで天文分野は学校の成績がいい。
野鳥の写真を撮りに冬の北海道にも行きます。「寒い!」「眠い!」と文句を言われますが、たぶん後々いい経験になる。野鳥好きになるということではなく、大人が何かにのめり込んでいる姿を見るというのが、刺激になるのです。
今の小学生の半分以上は、現在存在しない仕事につくという研究者もいます。
ユーチューバーとかティックトッカーになりたいといっても10年後にあるかはわからないですよね。まだない仕事は選びようがない。そうしたなか、医師なら安泰とかコンピューターサイエンスを習えば食いっぱぐれないといった判断はあまり意味がない。むしろ、無理に子供に将来の夢を持たせるのはもったいないと思います。
親が将来を予想してビジョンを持ってもはずれるかもしれない。大事なのは、どんな世界になっても大丈夫な適応力。適応力を育ててくれるのが好奇心、楽しむ力なのです。
オタクになるのもいい。ゲームにハマっても、ただ散漫とやるのではなくて、うまくいかなかったら分析して、仮説を立てて実践、検証する。そういうループをどんどん深掘りさせていく。楽しいから勝手にやるはずです。自分で調べてトライアンドエラーしながら深掘りできる力。それが適応力。
いろんなことに対してアンテナを張るのも大切。ゲームばかりという子でも、たとえばキャンプ場に連れて行けば、虫を見つけたり、川に入ったり、きっと何かやりだすでしょう。


