土地やビル、工場など不動産を所有する企業オーナーにとって、その有効活用は極めて重要な課題だ。経営資源である企業不動産(CRE)の在り方、状態は、“企業価値”を左右するからである。しかし不動産を取り巻く環境が変化する今、CRE戦略を的確に立案、実践することは難しくなっている。こうした中、不動産活用のパートナーとして支持を集めているのが大和ハウスリアルティマネジメントだ。大和ハウスグループの一員である同社は、全国で約4000の施設を管理(※)し、物件の開発や賃貸・管理・運営などを展開。多様な事業を通じて不動産所有者の課題の解決を支えている。

スキームを組み合わせ課題に応じた解決策を提案

老朽化した建物の建て替えに多額の費用がかかる、遊休地の維持管理コストが増大している、保有物件の空室が増えている、所有不動産を管理するノウハウや人材が足りない――。不動産にまつわる悩みはさまざまだ。ただ、こうした課題を放置してしまえば、大切な経営資源が負の資産になりかねない。

「経済、社会の先行きが不透明な今、将来の不動産価値は非常に読みにくくなっています。物件価格が下がっている地域がある一方、場所によっては地価の高騰が固定資産税や自社株の評価を急激に押し上げ、それが経営や事業承継の負担となっているケースもある。不動産が企業価値に直接的に影響を与えているわけです」

大和ハウスリアルティマネジメントの専務取締役である村越正彦氏はそう話す。不動産に関わる課題が多様化、複雑化する現在、上の図のような幅広い事業を展開する同社には多くの企業から相談が寄せられているという。

「全国47都道府県に管理運営施設を持ち、その形態も単独店舗、複合施設、駅前ビルなど多種多様であるのが私たちの特徴です。そのため、不動産の売買や賃貸の他、相続対策やテナントリーシングなど、さまざまな課題を抱えたお客さまがお越しになる。当社が持つ機能やスキームを必要に応じて組み合わせて、それぞれの課題に応じた解決策をご提案しています」

大和ハウスリアルティマネジメントが提供する主なソリューション

同社の強みは、まさにその対応力だ。顧客から不動産を購入することもあれば、事業用定期借地として土地を借りることもある。建物を一括して借り上げ、テナントに転貸するサブリースも全国で手掛けており、個々のニーズや物件特性に応じて価値最大化を追求している。

「当社は全国チェーンをはじめ多くのテナント企業さまとのネットワークがあり、リーシング力については自負しています。小売店はもちろん、医療、介護、物流、スポーツ施設など分野も非常に広範です」と村越氏は言う。

実際、同社管理施設の空床率は近年約0.5%(※)という極めて低い数字で推移している。ある地方の施設では開業から約20年が経ち、商圏の人口が半減する中でも適宜テナントを入れ替え、運営を継続しているという。

「今は、不動産を所有さえしていれば賃貸などの需要があり、収益を確保できるという時代ではありません。マーケットや社会の変化を精緻に分析し、対応することが求められる。例えば施設をリノベーションするにしても、以前とはセキュリティーや防災の基準が変わっています。こうしたノウハウも提供しながら、最適な戦略で不動産の価値最大化を後押しすることが私たちの役割だと考えています」

※ 2024年9月現在。

施設のオーナーとテナント両方の視点を持っている

確かな課題解決力が評価されている大和ハウスリアルティマネジメント。顧客からは「複数のテナントとのやりとりを一本化でき、本業に集中できた」「修繕なども含め、トータルで任せられるので安心」などの声が上がっている。

こうした同社についてもう一つ見逃せないのが、複合商業施設「アクロスプラザ」などを全国展開する一方、リテール事業ではコンビニやカフェ、シェアオフィスなどを直営事業として展開している点だ。つまり、施設のオーナーとテナントの両方の視点を持ち合わせているのである。

「施設や店舗を運営していれば、日々エンドユーザーと向き合い、要望や課題を吸い上げることができます。また、テナント企業さまの立場で施設に必要なものを把握することも可能になる。創業から約40年、蓄積してきた知見は私たちの財産です」と村越氏が言うとおり、不動産を所有する企業にとって大和ハウスリアルティマネジメントが実地で得た経験や情報は大きな意味を持つ。

例えば、高齢化が著しく進む地域でどんな業種のテナントが求められているか、都市部でシェアオフィスのニーズがどの程度高まっているか――。現場、現実を知る存在と共に不動産活用を進められるのは心強いに違いない。

さまざまな種類の施設を賃貸・管理・運営
アクロスプラザ盛岡(岩手県)
アクロスプラザ盛岡(岩手県)
沖縄アウトレットモール あしびなー(沖縄県)
沖縄アウトレットモール あしびなー(沖縄県)
アドグレイス大宮(埼玉県)
アドグレイス大宮(埼玉県)
アクロスキューブ名古屋(愛知県)
アクロスキューブ名古屋(愛知県)

事業を始める入り口で変化に対応できる計画を

大和ハウスリアルティマネジメントと顧客との付き合いは数十年、それ以上になることも多い。そこで同社が大事にしているのが、入り口でできる限り堅実かつ持続可能性が高い計画を立てることだ。

「例えば、将来効率的にリノベーションができるように工夫するなど、変化への柔軟な対応を意識しています。こうしてオーナーさまはもちろん、テナント企業さま、そして当社も含めた三方よしの事業を実現できるようにしています。最近は、20年、30年とお付き合いのあるお客さまから相続や事業承継に関わるご相談も増えてきました。不動産の扱いは大切な要素ですから、プロとして寄り添い、具体策の提案を行っています」と村越氏は話す。

「まちを元気に、ひとに笑顔を。」をビジョンに掲げ、これまでさまざまな施設の賃貸・管理・運営をすることで地域に活気をもたらし、同時に確かな情報力やノウハウで不動産の価値向上を支えてきた大和ハウスリアルティマネジメント。不動産が抱える問題を解決したい、所有する不動産の可能性を引き出したい――。こうした思いを持つ企業オーナーにとって、同社は頼りになる存在といえそうだ。