ゴールドマン・サックス証券の元トレーダーとして経済を見つめ、現在は「社会的金融教育家」として活動する田内学氏。近著『きみのお金は誰のため』が「読者が選ぶビジネス書グランプリ2024」総合グランプリを受賞するなど、お金と社会の本質を見直す未来視点の考察がいま注目を集めている。世界初のSUVタイプのプラグインハイブリッドEVとして登場した「アウトランダーPHEV」も「自然と併走して、未来へ。」をコンセプトとする、まさに未来志向のクルマだ。

資産運用でいくらお金を増やしても、将来の不安は解消できない

2024年から新NISAが始まるなど、かつてないほど投資熱が高まっている。年金問題などの老後の生活への不安がその一因だろう。だが、社会的金融教育家の田内学氏は、「お金が問題を解決する」という考えに警鐘を鳴らす。

「投資でお金を増やしても、誰かの財布から財布へ移動しているだけ。株を安く買って高く売ることは、誰かが高く買わされているのです。いわば、椅子取りゲームで椅子の取り合いをしているのに似て、お金で問題が根本的に解決するわけではありません」

年金に関係する日本の人口減少や少子高齢化、世界的な気候変動への対処など、将来に影響を及ぼす社会的な課題は、お金自体ではなく、そのお金を受け取った人が行動してはじめて解決への道が拓かれる。お金の向こうに「人」がいることを忘れてはならない。田内氏がそのことに気づいたのは、ゴールドマン・サックス証券の金利トレーダーとして働いていたときだった。

「何百億円、何千億円単位のトレード業務をしていました。ただ、ヘッジファンドとの取り引きのように、結局のところどちらにお金が落ちるかのマネーゲームのような取り引きも多い。その他の人にとっては関係のないことで、何か問題が解決されるわけではないと感じたのです」

田内 学(たうち・まなぶ) 社会的金融教育家・お金の向こう研究所代表
1978年生まれ。東京大学工学部卒業。同大学院情報工学系研究科修士課程修了。2003年ゴールドマン・サックス証券入社。以後、16年間、日本国債、円金利デリバティブ、長期為替などのトレーディングに従事。2019年退職。現在は子育てのかたわら、社会的金融教育家として、学生・社会人向けにお金について情報発信を行う。著書に『お金のむこうに人がいる』(ダイヤモンド社)、『きみのお金は誰のため』(東洋経済新報社)などがある。

子どもが生きる未来の社会と次世代のクルマを考える

「私は中学校や高校などで金融教育をしているのですが、『とにかく高年収を稼ぐにはどうしたらよいか』という話になりやすい。ただ、みんなが頑張れば頑張るほど、お金の奪い合いが熾烈しれつになり、社会全体が疲弊していきます。親としてできるのは、たとえ椅子取りゲームで椅子に座れなかったとしても、全員が幸せになる社会の目指し方を教えることではないでしょうか」

未来の社会を考えた身近なお金の活用が「買い物」だ、と田内氏は語る。

「商品の買い方を考えることで、投資とは別の方法で企業を応援することになります。親の買い物に、子どもの意見を聞くことはあまりない。でもクルマは、子どもも乗るので興味を持ってくれるはず。未来を考えたクルマ選びから、たとえばエネルギーにも関心が高まります。日本に石油資源はありませんが、太陽光や風力など代替するエネルギーはある。どんなクルマを買うかで未来が変わるわけです。子どもは、親がどう行動しているかを注視しています」

現に小学校の社会科の授業などでは、最新技術が自動車に搭載された背景や、電気自動車や電動車、水素燃料自動車などの普及が石油資源の使用量や二酸化炭素の排出量の削減につながることなどを教えている。親子で次に乗るクルマを話し合うことが、アウトランダーPHEVなどの未来志向のクルマや未来のあるべき社会の理解を深めるよい機会になるはずだ。

自身もクルマで子どもの送り迎えをする田内氏。「家族団欒の時間が減っている時代だからこそ、車内で一緒に過ごすときは共通の話題を話すチャンス。SUV(スポーツ多目的車)は座席が高くて運転しやすいだけでなく、居住性も快適ですね」

アウトランダーPHEVが一歩踏み出す気持ちを後押しする

アウトランダーPHEVはガソリンで動くエンジンと、電気で動くモーターの両方を備えており、充電スタンドなど外部から充電することができる。あらかじめ自宅や充電スポットなどで満充電しておくと、バッテリーの電力だけで約80kmは走れる。つまり、その間はずっと電気自動車として走行しているため、二酸化炭素を排出しない。日常使いや近距離での走行では、バッテリーの電力だけで走り切り、想像以上に電気自動車として使用できる。

遠出するときは、ガソリンでの走行と、その走行の際に発電された電気もあわせて使うことで延べ1000km近く移動することができる。電気自動車(EV)とハイブリッド車(HV)を融合したクルマが、プラグインハイブリッドEV車(PHEV:Plug-in Hybrid Electric Vehicle)だ。

「EVは遠出の途中で充電が必要になるのではないかとの印象がありましたが、アウトランダーPHEVはガソリンも併用することで、長距離移動も気兼ねなくこなせるところが安心です」

つまり、プラグインハイブリッドEV車(PHEV)は、電欠の不安を抱えることなく、長く電気自動車走行できる優れたパワートレインなのだ。しかも、バッテリーに充電した電気は、移動のためのエネルギーだけでなく、目的地で給電して家庭電化製品などを使うこともできる。

「実は一度もキャンプをしたことがなく、いつか家族とやってみたいと思っていたんです。ただ、いきなり薪で火を起こしたりするのはハードルが高い(笑)。目的地で電気を使えるとなると、一歩を踏み出しやすいですね」

アウトランダーPHEVにはAC100Vコンセントが後部座席足元と荷室に1つずつ設置されている。2つのACコンセントは独立して利用でき、最大出力は2つ合わせて1500Wのため、アウトドアでコーヒーメーカーや炊飯器、ホットプレートなど、消費電力の大きい電化製品を使うこともできる。

なお、三菱自動車は1991年から「スターキャンプ」というイベントを開催しており、2023年にはメーカー主催1回、販売会社主催は9地区で開催された。屋外でのキャンプを楽しむだけでなく、アウトランダーPHEVをはじめ、三菱自動車の電動車を試乗できる「電動車試乗会」などのプログラムもあり、アウトドア初心者も楽しめる会場のつくりだ。

アウトランダーPHEVはクルマに蓄えたバッテリー電力を取り出せるアクセサリーコンセントを装備。最大1500Wの出力でさまざまな電化製品が使用できる。気軽にアウトドアライフを楽しめるほか、パソコンとつなげばクルマがワーキングスペースにもなる。

クルマのバッテリーの電気を自宅に供給できる

アウトランダーPHEVの車内のコンセントは、災害時の非常用電源として活用できる。また、車内のコンセントだけでなく、V2Hという専用の機器を経由させることにより、バッテリーの電気を最大12日分、自宅へ供給する仕組みがある。災害時だけでなく、日常においても自宅に設置した太陽光発電とクルマを結び、再生可能エネルギーを使った充電が可能だ。

なお、多彩な機能を備えたアウトランダーPHEVは、クリーンエネルギー自動車導入促進補助金の対象で、購入に際して国から55万円の補助を受けられる(※1)。さらに、地方自治体によって追加補助があるケースもある。

※1 2024年3月1日時点

「私は阪神・淡路大震災で被災した経験から、今の生活に電気が欠かせないと実感しています。アウトランダーPHEVのように自力で発電ができ、その電力を家庭に使えるクルマがあれば、災害のときも役立つでしょう」

アウトランダーPHEVでは普通充電、急速充電、エンジンでの発電の3つのチャージスタイルを設定。自宅で、ショッピングの間に、ロングドライブの立ち寄りなど、ライフスタイルに応じて、適したチャージ方法を選択できる。

万一の災害への対処を含め、「みんなが幸せになる選択肢があることが大切」と田内氏。

「お金の奪い合いが熾烈になる社会とは異なり、そういう未来社会は、みんなで目指せば目指すほど、どんどんよくなります。クルマを買うときも、親世代がお金の使い方を考えるようになれば、それが子どもにも伝わると思います」

お金を使った商品の先には、製品を開発した人がいること。さまざまな人がいて社会が循環し、発展していくこと。それに気づくことこそ本来のお金の価値がある、と田内氏は子どもたちに伝えたいのではないか。