資産を取り巻く環境が刻々と変化する今、その運用、管理において“情報戦略”の重要性は高まっているといえる。そうした中、今注目が集まっているのがSMBC日興証券の「CIO」(チーフ・インベストメント・オフィス)だ。2021年、個人投資家の資産運用を支援する目的で設立されたこの組織は、どのような考えの下で何を目指しているのか――。リーダーを務める竹山悟史氏に聞いた。

自らの資産の経営者になるという意識が大事に

――竹山さんは大手資産運用会社などで20年以上ファンドマネジャーを務めた経歴を持ちます。現在の投資環境について、どのような点に注目していますか。

竹山悟史(たけやま・さとし)
SMBC日興証券株式会社
Chief Investment Office(CIO)
部長/チーフ・インベストメント・オフィサー
大手運用会社、ヘッジファンドにて20年以上にわたりファンドマネジャーおよびチームヘッド職を務め、SMBC日興証券に。2021年3月より現職。

【竹山】やはり見逃せないのはインフレの動向です。現在、日本もインフレ環境にあり、これが高止まりしたまま継続するとの見方もある。そうなれば、現預金の実質的な価値はどんどん目減りしていきます。デフレ時は「キャッシュ・イズ・キング」で現預金の保有が有利に働きますが、今は発想を転換すべき時期。不確実性の高い時代、リスクをコントロールするに当たって長期分散投資の意義はいっそう高まっていると感じます。

――そうした状況の中、どのような意識で資産運用に臨むといいでしょうか。

【竹山】長期分散投資というのは、企業経営と共通する部分があると私は思っています。それぞれの金融資産の特性をよく理解し、適切なポートフォリオを組んでいく。状況が変化すれば柔軟にそれを見直していく。それは、持てる経営リソースを適宜戦略的に配分して事業を運営するのとよく似ています。その意味で、資産運用においては自らの資産の経営者になる。そうした意識が大事になるでしょう。

ただ、社会や経済の変化が激しい現在、経営者も全てを1人で判断するのは難しい。優れた経営者には信頼できる右腕、知恵袋がいるように、資産運用にも戦略の策定をサポートする“参謀”のような存在が求められている。そう考えたことが、当社がCIOを設立した大きな理由です。

――参謀の存在価値は、例えばどのような場面で発揮されますか。

【竹山】長期運用を進めていると、どうしても市場の急落などに直面することがあります。そうしたとき最も避けたいのが、不安やパニックに陥って保有資産を売却してしまうことです。多くの場合、それは保有し続けていれば得られたリターンを取りこぼすことにつながります。「環境が持ち直したら買い戻せばいい」と思っても、その環境を見極めることは決して簡単ではありません。にもかかわらず、現実には多くの人が慌てて資産を売却してしまう。普段理性的な人でもなかなか冷静な判断ができません。そうしたときこそ、参謀が役割を果たすべき重要な局面です。信頼できる第三者の視点、客観的な情報に触れることで、人は落ち着いて現状を俯瞰ふかんできるようになるからです。

「個人向け」に特化したチームが徹底して議論を行う

――SMBC日興証券のCIOの特徴を教えてください。

【竹山】大きな特徴は、主として個人投資家に絞って情報提供を行っていることです。機関投資家向けのリサーチチームは多くありますが、私たちは個人のお客さまに各分野のプロが精査した情報を届けたいと考えています。

構成メンバーは私を入れて現在13人。元ヘッジファンドマネジャーや日銀出身のエコノミスト、計量分析の専門家など経歴は多彩です。強調したいのは、メンバーに複数の運用経験者がいる点です。つまり実際に投資する立場で物事を考えている。専任のメンバーによるこうした個人向けのチームは業界でも非常に珍しいと思います。

ファンドマネジャー経験者やエコノミスト、アナリストなど、CIOには多彩な経歴を持ったメンバーが集結している。

――活動内容はどのようなものですか。

【竹山】SMBC日興証券における“情報エンジン”というのがCIOの位置付けです。具体的には、さまざまな金融資産の市場見通しの検討、またそれに基づく「モデル・ポートフォリオ」の策定などが主な活動。各資産の市場環境や投資戦略をまとめたレポート「CIO’s View」などを多数発行しており、当社に口座をお持ちの方は自由にご覧いただけます。

また当社の営業員がCIOの情報を活用して個々のお客さまに対してそれぞれの状況や目的に合わせてきめ細かく対応。長期運用の伴走者として、投資戦略のご提案をしたり、ご相談に乗ったりします。おかげさまでお客さまからは、「自分に適した運用を行うのに、モデル・ポートフォリオが大いに参考になった」「市場見通しの説明が一貫していて分かりやすい」といった声を頂いています。

――CIOの運営で竹山さんが大事にしていることは何ですか。

【竹山】チームを有機的に一体化させることを、何より心掛けています。私たちは分散投資の重要性を訴え、株式や債券、REIT(不動産投資信託)、金など、多様な情報を発信しています。各資産の情報に整合性がなければ、お客さまは混乱してしまう。全体に横串を通して一貫性のある情報を提供することが不可欠なため、CIOでは週3回ディスカッションを行っています。各分野のプロ同士、厳しい議論になることもありますが、その中で磨かれた情報を届けることが使命。お客さまに代わって知恵を絞り、しっかりと腹落ちする投資戦略を個人の方に分かりやすい形で提供することを重視しています。

――最後に個人投資家に向けたメッセージをお願いします。

【竹山】資産運用自体は手段であり、目的は人生の「安心」や「楽しみ」「しあわせ」を手に入れることです。このことも踏まえ、お客さまの伴走者としてSMBC日興証券の中で確かな情報エンジンとして機能するのがプロ集団であるCIOの役目。自身の資産の経営者になるに当たって頼れる参謀が欲しいとお考えの方は、ぜひ私たちの情報の活用を選択肢の一つとしてご検討ください。

【手数料・リスク等】当社が提供する商品等へのご投資には、各商品等に所定の手数料等(株式取引の場合は約定代金に対して最大1.265%(ただし、最低手数料5,500円)の委託手数料、投資信託の場合は銘柄ごとに設定された販売手数料および信託報酬等の諸経費、等)をご負担いただく場合があります。投資にあたっては、元本損失が生じることがあります。各商品等の手数料及びリスクについては、当該商品等の契約締結前書面等をよくお読みください。CIOは投資一任契約者向けの情報提供を行っており、資産配分の決定に関与しております。記載の情報は、商品の勧誘目的でなく、また完全性・正確性を保証するものではありません。投資に関する最終決定は、お客さまご自身の判断でなさるようお願いします。

商号等:SMBC日興証券株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第2251号
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会、一般社団法人日本STO協会

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