dancyu総合研究所は、dancyu食いしん坊倶楽部(以下、倶楽部)メンバーと一般消費者を対象にして、食に関するアクティビティを比較する調査を実施しました。倶楽部メンバーの回答数は1,052人(男性438人、女性608人、その他6人)、一般消費者の回答数は328人(男性138人、女性190人)で、調査は2023年10月13日~24日にかけて、インターネットを通じて質問をし、回答を得ました。
調査から浮かび上がってきたのは、倶楽部メンバーの美味しいものを楽しむことに注ぎ込む情熱の強さです。外食・飲酒の頻度や金額、食品や食材、調理道具のお取り寄せに使う金額、飲食のみを目的にした旅の経験など、どの項目についても倶楽部メンバーは一般消費者より高い数値で、「食いしん坊」の俱楽部名に恥じないアクティブさがうかがえました。
外食(夕食)にかけたい金額は8,000円~1万円
まずは、外食(夕食)頻度。週1回以上外食をしている人の割合は一般消費者では23.4%なのに対して、倶楽部メンバーでは53.2%。美味しいものを食べたい時に1回の外食(夕食)にかけたい金額は、一般消費者の82.7%が「5,000円まで」と答えているのに対して、倶楽部メンバーの「5,000円まで」と答えた人の割合は28.4%。
倶楽部メンバーの中央値は「8,000円~1万円」であり、一般消費者で「8,000円以上」の回答は10.0%に過ぎません。典型的な倶楽部メンバーは、日本人全体の上位10%に入る“食いしん坊”と言えそうです。
「美味しいものを食べたい時にひとりで外食(夜)をするか」という質問では、一般消費者の65.5%が、ひとりで外食することは「ほとんどない・まったくない」と答えたのに対し、倶楽部メンバーでは「ほとんどない・まったくない」は33.0%にとどまり、約7割が頻度に差はあれ、ひとりで外食をしているという結果になりました。美味しいもののためならば、一人外食を厭わない、あるいは進んで一人で食べに行くという積極性が表れています。
倶楽部メンバーの約7割は行きつけのお店あり。店借り切り経験者も半数近い
飲食店を借り切って友人や家族と飲食を楽しむ食事会の開催経験は、一般消費者の15.2%が「ある」と答えたのに対して、倶楽部メンバーの経験者は45.8%に上りました。行きつけの店(自分の顔や名前を覚えている店主・店員と会話ができる店)の有無は、一般消費者では21.6%にとどまりましたが、倶楽部メンバーでは68.3%に及びました。
週3回以上お酒を楽しみ、1カ月のお酒代は1万円以上
飲酒に関しても一般消費者と倶楽部メンバーには大きな違いがありました。一般消費者では「お酒は飲まない」と「飲酒は週1回未満」を合わせて57.4%と過半数を占めましたが、倶楽部メンバーでは64.3%の人が週3回以上お酒を楽しんでいます。お酒への支出額は外飲みと家飲みを合わせて、一般消費者では「5,000円未満」が61.9%を占めたのに対し、倶楽部メンバーでは55.7%が「1万円以上」と答えています。
年10万円以上お取り寄せする人が18.1%。“食いしん坊”は家でも妥協しない
食品や食材、調理道具などのお取り寄せ(ふるさと納税を含む)の利用頻度は、一般消費者では「お取り寄せはしない」を含めて「年1回以下」が72.5%を占めましたが、倶楽部メンバーでは「数カ月に1回」以上の頻度で利用する人が79.4%に達します。お取り寄せにかける金額は、一般消費者の68.2%が年2万円未満なのに対し、倶楽部メンバーでは55.0%が「2万円以上」と答えました。年間10万円以上を費やす人も18.1%に達し、外食だけでなく、美味しいものを家庭で楽しむ人の多いことがうかがえます。
旅の目的は、食食食!美味しい1食のために100km以上遠出する人が53%
旅の目的を聞いた質問(複数回答)では、一般消費者では、1位「美しい自然・風景を見る(49.1%)」、2位「旅行先の郷土食豊かな料理を食べる(45.7%)」、3位「温泉での休養(45.4%)」と続きました。一方、倶楽部メンバーでは、「旅行先の郷土食豊かな料理を食べる(85.9%)」が圧倒的な1位となり、かなり離れて2位「美しい自然・風景を楽しむ(48.1%)」、3位「温泉での休養(42.6%)」と続きました。倶楽部メンバーの“食いしん坊”ぶりがよく表れています。
「1回の飲食のためだけに遠く離れた場所(居住地から100km以上を目安)を訪ねることがあるか」という質問でも、一般消費者の57.3%が「ない」と答えたのに対し、倶楽部メンバーでは26.2%。倶楽部メンバーの53.0%が「年に1回」以上、1回の食事のためだけの旅行をしています。その中には、高級食材を使った料理を有名店で楽しむ人もいますが、一方で「スープカレーを食べるだけのために札幌へ」(60代男性・東京在住)、「さわやか(静岡県のファミリーレストランチェーン)のハンバーグが食べたくて年に1、2回は行く」(50代男性・東京都在住)といった名物料理の偏愛派も。必ずしも高級食材や高級レストランでなくても、地方の食は食いしん坊を引き付ける力を持っていることが分かります。
dancyu食いしん坊倶楽部メンバーの美味しいものへの情熱は、外食、飲酒、お取り寄せ、食の旅と全方位に向かっています。その情熱は食や食文化を楽しむ、発信する、磨き上げる応援団として企業さまや自治体さまの大きな助けとなるはずです。dancyu総合研究所では、dancyu食いしん坊倶楽部と共同した企業さま・自治体さま向けのイベント開催や調査、調査結果を基にしたコンサルティング、商品開発などの実施ができます。まずはお気軽にお問い合わせください。
調査名:dancyu総合研究所「食の調査 Vol.2(2023年10月版)」
調査主体:dancyu総合研究所(株式会社プレジデント社)
調査方法:WEBアンケート方式
調査期間:2023年10月13日〜2023年10月24日
調査対象:「dancyu食いしん坊倶楽部」の20代〜70代の男女 1,052人(全国)、GMOリサーチが運営する国内最大級のインターネットリサーチ用パネル「JAPAN Cloud Panel」の30代〜60代の男女 328人(全国主要都道府県)