高血圧が人の体に及ぼす真実とは
2019年時点における日本国内の高血圧有病者は4300万人いると推計されている(※1)。ということは、日本人のおよそ3人に1人が罹患している計算で、もはや「国民病」の一つといってもよい。にわかには信じがたい厳しい現状について、医療の現場ではどのように受け止めているのだろう。森勇磨医師は次のように話す。
「3人に1人という高血圧有病者数は、高齢化が進んでいることが一番の原因でしょう。年を取るのにつれて血管も老化して傷んできて、高血圧を引き起こすようになるのです。理想としては、心不全、腎不全、脳卒中などのリスクが下がる収縮期血圧で『80/130mmHg以下』を保ちたいところです。ただ、欧米的な食事やテレワークなど現代社会の習慣も相まって、『90/140mmHg以上』の高血圧患者が増えている現状です」
そうした血圧が上がる仕組みを森医師は、中学校の理科で習った「オームの法則」を応用してわかりやすく説明する。「電圧(V)=電流(I)×抵抗(R)」の公式は、「血圧(V)=血流量(I)×血管の抵抗(R)」に変換することができるのだという。そうすると、老化で血管が傷めば抵抗が大きくなって、その分だけ血圧が上がってしまうわけだ。
しかし、「自分は高血圧だ」と認知できても、急に体に変調をきたすわけではない。「周囲に高血圧の人が多いけれども、普通に暮らしているし、大したことではないだろう」と考え、せっかくの投薬治療をおろそかにして血圧のコントロールがうまくいかなかったり、治療を受けなかったりする人が多い。適切に血圧をコントロールできているのは、4300万人中わずか1200万人(※1)とされている。
「年間1万台の救急車を受け入れる病院の救命救急・病棟で勤務していたことがあります。そこには、心筋梗塞や脳梗塞、そして脳内出血、大動脈瘤破裂で運ばれてきた瀕死の患者様が数多くいて、その治療に当たっていました。事後的にそれらの病気の原因を探っていくと、高血圧だったことが多かったのです。自覚症状がなくても、高血圧ということは、恒常的に血管に負荷がかかっています。その負荷が長年蓄積していくことで、最悪の場合、死に至る病気を引き起こしてしまうのです」
※1『一般向け「高血圧治療ガイドライン2019」解説冊子』(日本高血圧学会、日本高血圧協会、ささえあい医療人権センターCOML)より。
“場所と時間を選ばない”新しい血圧測定
森医師の警告を聞けば、定期健康診断で血圧が高めだったり、親族に高血圧の人がいて遺伝する恐れがあったりする人は、自分の血圧の状態が気になるだろう。高血圧を予防していくうえでの重要なポイントが、毎日の血圧の測定なのである。
「日本人は塩分を摂り過ぎと指摘されますが、それが高血圧の最大の原因で、喫煙や飲酒も高血圧の原因に含まれます。自分の血圧を毎日定期的に測定していくなかで、高めになってきているとわかれば、食事の内容を見直したり、喫煙や飲酒を控えたりするなど、血圧が高くならないよう、予防に向けた行動変容を強く促すきっかけとなるでしょう。高血圧の人の割合が増え始める、30代半ば以降のビジネスパーソンは男女を問わず、血圧測定の習慣付けをお勧めします」
そう話す森医師が理想的な血圧測定の場と考えるのが、実は自宅なのだ。「血圧は病院で測るもの」と思い込んでいる人が少なくないが、病院は人を不安にさせるファクターが揃っていて、どうしても血圧が上がってしまう傾向があり、「白衣高血圧」という医学用語すら存在する。心身が最も落ち着いた状態である自宅で測定したほうがよく、そうした「家庭血圧」の重要性を森医師は説いてやまない。
そして実際の測定に当たり、これまで家電量販店の健康器具のコーナーなどでの売れ筋だったのが、上腕にカバーを巻いて、それを空気で加圧して血圧を測定する「オシロメトリック法」の測定器なのだ。しかし、測定するときにテーブルの上に設置し、カバーを腕に巻く一連の作業が伴う。森医師が推奨するのは、起床時と就寝前の毎日2回の測定なのだが、その作業が次第に面倒に思えるようになり、ふと気が付くと測定器にホコリがかぶっていることに……。
「その点において、手首に巻いたスマートウォッチ兼用のウェアラブル型血圧計で測定できるのなら、習慣付けしやすくていいですね」と、最新型のウェラブル型血圧計である「HUAWEI WATCH D ウェアラブル血圧計」を実際に左腕に巻いてみた森医師は言う。ボタンを押してから、1分もかからずして出てきた測定結果を見て、「収縮期血圧が122mmHgで普段の結果と同じです」と、森医師は頷きながら話す。
血圧測定を行う上で、手首に巻いたベルト部分「カフ」の幅が狭く厚みがないと、血管への締め付けが充分に行えず、測定結果の正確性に影響が出てしまう恐れがある。しかし、「HUAWEI WATCH D」のカフの幅は約3cm、毎日身に着けていても違和感がなく、安定した測定を行える幅と厚みがある。本体については、約51mm、横約38mm、厚さ約13.6mmで、その重さはわずか約41g。また、測定時の手首の位置や手の開きなどが正しくないと、本体のモーションセンサーで感知して調整を促してくれる。ほかにも、1日の歩数の測定、心拍数や睡眠時間といった健康状態をモニタリングしてくれ、ワークアウトモードは70以上も備えており、毎日の結果をウォッチするのが次第に楽しくなってくる。
日常的に血圧を測定することが高血圧対策となる
年に1回の定期健康診断での血圧測定と違い、毎日の血圧測定の結果を見ていると、塩っ辛い食べ物を口にしたり、睡眠が不足してイライラが募っていたり、どんな行動や状態のときに血圧が上がってしまうのかを、自ずと把握できるようになる。森医師が指摘したように自らの行動を正していくキッカケにもなる。「HUAWEI WATCH D」は身に着けているだけで情報が蓄積され、高血圧予防に対して強力な“武器”となるのだ。
こうした機能をフルに使っていても、1回の充電で約7日間は稼働してくれるので、使い勝手もいい。もしも、1日の大半を過ごす職場での血圧が気になるのなら、仕事の合間にデスクに向かったまま測定すればよい。わざわざ机の中から測定器を取り出す必要がなく、職場の仲間に気づかれることなく測定ができる。
見逃せないのが、日々の変化をグラフの形で“見える化”してレポーティングしてくれるうえに、データを自動で蓄積していってくれることである。健康かどうかを判断するバロメーターの一つである血圧のデータベースを、黙っていても構築してくれるわけだ。
「そのことは医師にとっても大変ありがたいことなのです。今後、オンライン診療が増えていく傾向にありますが、血圧測定は患者様本人が家庭で行い、自己申告してもらうことになります。しかし、正確に記録できているものかどうか、担保仕切れない部分がどうしても残ります。その点において、このようなウェアラブル型血圧計で正確かつ継続的に測定したデータを、ウェブを介して提供してもらえたら、診断に大いに役立ちます」
このICT時代の医療を踏まえた森医師の言葉を聞いて、最新型のウェアラブル型血圧計である「HUAWEI WATCH D」に対する関心を、ますます高めた30代半ば以降のビジネスパースンが多いことだろう。