この先、収入がどうなるか分からない。住宅ローンや教育資金のことを考えると何か手を打たないと……。依然、先行きの不透明感が強い中、子育て世代の多くが「お金」の面で不安を感じている。こんな時代、「マネープラン」はどうあるべきか?ファイナンシャルプランナーのまがいまさこさんに聞いた。

「見える化」されているのに
「見ていない」!?

まがいまさこ●馬養雅子
ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
オフィス・カノン代表
法律雑誌の編集部勤務、フリー編集者を経て、2000年10月にCFP(サーティファイド・ファイナンシャル・プランナー)の資格を取得。コンサルティング、書籍や雑誌記事の執筆、金融関連企画へのアドバイス、セミナーの講師などで活躍中。

「お金に対する不安というのは、そのまま放置しておいても普通は解消しません。やはり一度、きちんと現状と向き合わないといけませんね」

こう話すのは、ファイナンシャルプランナーのまがいまさこさん。まずスタートとなるのは「大まかな家計の状態をシートに書いて把握する」ことだという。収入はもちろん、光熱費や教育費などの支出、住宅ローンなどの負債や貯蓄の額、さらに保険費用などを記入。現状を正しく認識することがマネープランの基本であり、第一歩となるわけだ。

「書かれたシートを拝見すると、家計簿をきちんとつけているのかどうか、よく分かりますね。つけているご家庭は項目別に、場合によっては1ケタ台まで細かく記入されています。もっとも、いまは家計簿をつけていなくても大丈夫。光熱費、通信費、さらには学校関係の費用なども自動引き落としになっていることが多く、銀行通帳を見れば、おおよその家計は把握できます。日常の生活費もクレジットカード払いという人もいるくらいで、現代はお金の流れがかなり『見える化』されているんです」

しかし「見える化」されていることと、それをきちんと「見ている」ことは当然別の話だ。漠然とした不安を抱えながらも、具体的には何もしていないという人は案外多い。

例えば家計をきちんと見ていくと、いわゆる「使途不明金」の存在が明らかになることがある。「何に使ったのか分からない支出は、結局ムダなお金であることが少なくありません」とまがいさんは言う。考えても思い出せず、いつの間にかなくなっているお金。「それをしっかり認識できるだけでも、家計の把握を行う意味は大きい」のだ。