Keyword 4 家事
「家族が自然に手伝い合う」住まいを考える

共働きの家庭が増える中で、主婦にかかる家事の負担は大きくなっています。限られた時間の中で、仕事や子育てとともに炊事・掃除・洗濯などの家事を並行してこなすためには、やはり家族の協力が必要です。そこで、住まいづくりの段階から「家族が手伝ってくれるように仕向ける」プランを考えていくのも1つの方法です。

例えばキッチンなら、調理や洗い物をする“手元が見える”オープンなつくりにすると、手元が見えないキッチンに比べて、子供が手伝う比率がほぼ倍増すると言われています。

収納でストレスがたまるのは、家族それぞれが出しっぱなしにしたものを、主婦がいちいち片付けることになるから。それを防ぐには、細かいものまで収納の定位置を決めて、出した人がラクにしまえる仕組みをつくることです。そもそも我が家にはどれだけモノがあればいいのか、家を建てる際に家族会議をして話し合っておくと、その後の住まいの収納プランが立てやすくなります。

ぜひ、主婦が一家のプロデューサー役となり、家事の負担を減らして家族の時間を増やす住まいを目指してください。

Keyword 5 子育て
子供を「見える化」するレイアウトを

子育ては、住まいづくりの大きなモチベーションになる部分です。特に30代のご家庭で気にされているのは「いかに子供がのびのびと育つ環境をつくるか」ではないでしょうか。

私は、近年の社会課題であるひきこもりを防ぐためにも、子供を「見える化」する住まいづくりが必要だと考えています。例えば、間取りをできるだけオープンにして、小学校低学年まではリビングにファミリースタディーコーナーを設けるなど、遊びや勉強を家族の気配がある中でできるようにする。玄関からの動線にも家族と顔を合わせる場所があるなど、ゆるやかでもそうしたつながり感が大切になるのだと思います。

個室はあっても、そこは寝るスペースを最低限確保した部屋でOK。いわゆる「学寝分離」をして、個室にこもらずにリビングでも勉強できる子供は、図書館でも友達の家でも、社会の中でどこでも勉強できる力が身につくと言われています。また、それが社会性や社交性にもつながっていくでしょう。そうした意味でも、内に閉じるのでなく、環境や社会・街にオープンな住まいづくりを目指していかれてはいかがでしょうか。