独立系コンサルティングファームとして2012年に創業したライズ・コンサルティング・グループ。「Produce Next─日本の再生のために、次の未来を創造する─」をビジョンに掲げ、真の成果にこだわった経営支援を展開している。独自のアプローチやコストパフォーマンスが顧客企業から高く評価される同社の経営スタンス、事業戦略などについて北村俊樹社長に聞いた。

現場感覚を重視して臨機応変に事態に対応

──ビジネスを取り巻く環境が刻々と変化するなか、企業はどのような課題を抱えていますか。

【北村】“変化の本質”を捉え切れない。今、そうした企業が多いように感じます。例えばコロナ禍でリモートワークが浸透していますが、ここで重要なのは営業活動などもオンライン上に移行し、従来ブラックボックス化していた現場でのやりとりを記録、分析できるようになったという事実です。それによって、客観的なデータに基づいた営業プロセスの改善や人材育成を行える状況が生まれている。こうした本質を見極められるかどうかが、今後、企業の競争力を大きく左右します。とはいえ、本業を行いながら多様な変化の本質を精緻に捉えるのは難しい。まさにそれをサポートするのが、私たちの役割だと思っています。

北村俊樹(きたむら・としき)
株式会社ライズ・コンサルティング・グループ
代表取締役社長 CEO
ロンドン大学卒業後、フューチャーアーキテクト、野村総合研究所を経て、2016年にライズ・コンサルティング・グループに参画。CIOアジェンダのアドバイザリー業務に加え、先端テクノロジーを活用した業務改革、組織再編、新規ソリューションの立ち上げを牽引。21年より現職。

──貴社は、どのようなファームを目指していますか。

【北村】一言でいえば、コンサルティング業界のディスラプター(創造的破壊者)になりたいと考えています。ディスラプターとなる条件は大きく三つ。コスト面の優位性の確保、質の高い顧客体験(UX)の実現、独自のサービスプラットフォームの構築です。

──具体的に教えてください。

【北村】コストについては、高い稼働率を維持する独自スキームにて、すでに大手ファームと比較して2~7割の予算でご提案することができています。当社のメンバーの多くは、国内外の著名ファームの出身ですから、もちろんアウトプットのクオリティについても十分に担保しています。

UXについては「ハンズオン」「スコープレス」「モアザンレポート」がキーワード。完全常駐を基本とし、あえてスコープを設定しないコンサルティングを提供しています。事業環境が激しく変化する今は、事前の仮説通りに物事が進む時代ではありません。スコープの設定に時間をかけるより、お客さまと一体となり、臨機応変に事態に対応していくほうが成果が上がる。報告書も本当に必要なものに絞り、現場での「実行」支援を重視しています。

そしてサービスプラットフォームについては、独立系の特徴を生かし、外部のSIer、Tech系スタートアップ、専門系事務所などと柔軟に連携して、独自のエコシステムを構築しています。

──日々のコンサルティング活動ではどんなことを意識していますか。

【北村】コンサルタントに求められているのは、突き詰めれば“時間の価値”を最大限高めること。お客さまは専門家の知見を活用し、迅速に課題を解決したいと考えている。そのことは常に意識しています。

もう一つ大事にしているのは現場感覚です。客観的な視点からお客さまの現場を見つめることで、潜在的な課題を発見できる。そのため、お客さま企業の社員へのヒアリングや現場観察には力を注いでいます。

IPOによる資金調達で将来はファンドビジネスも

──自社の組織開発、人材開発で大事にしていることはありますか。

【北村】社内的な重要テーマは、何より社員のケイパビリティの最大化です。単純に業務時間の削減・効率化を社員に意識させるのではなく、限られた時間のなかで質の高いパフォーマンスを維持し続けられるよう、社内のナレッジの整備、人材育成を推進。また、社員のケイパビリティの最大化につながる動機付けや成長機会の提供も行うなど、一人一人が充実した人生を歩むことができる仕組みづくりを普段から心掛けています。

「ワーク」と「ライフ」の高いバランス感が、当社が考える「ワークライフバランス」であり、その実現によって激務といわれるコンサルティング業界においてNo.1のワークライフバランスを提供するファームになりたいと考えています。

──これまでに支援したプロジェクトの具体例を教えてください。

【北村】ブロックチェーン技術を活用したプラットフォームビジネスの開発があります。国内の大手SIer、主要商社、メガバンク、保険会社などが連携した一大プロジェクトで、これをビジネスモデルの策定からジョイントベンチャーの立ち上げ、経営基盤の構築まで一貫して支援しました。先端テクノロジーの活用に強みを持ち、新規事業開発も得意とする当社にとって象徴的な事例といえます。

このプロジェクトもそうでしたが、私たちの支援の特徴は課題をできるだけ絞り込み、小さな施策からスタート。合意形成を積み重ねながらスケールアップしていくというスタイルです。そうすることでコストの無駄を省け、時間も有効に使える。まさにこの点を多くのお客さまからご評価いただいており、おかげさまで取引継続率は現状ほぼ100%となっています。

──今後のビジョン、抱負を最後に聞かせてください。

【北村】当社は2年後を目安にIPOを計画しています。調達した資金をもとに、将来ファンドビジネスにも取り組んでいきたい。掲げている「Produce Next」を実現するに当たっては、自ら投資をして、主体的にビジネスに関わるのも一つの方法だと思うからです。日本の再生、次の未来の創造という大きな目標を見据え、自らの企業価値を高めていく。そして、そのなかで得た資金をさらに社内外に還元し、さらなる事業拡大につなげていく。そうした好循環を生み出していくことが今後のビジョンです。