RPAの積極的な導入で約80人分もの業務を自動化
この記事を読んでいるあなたが勤務先のIT戦略担当だとしたら「釈迦に説法」で恐縮だが、RPAは「Robotic Process Automation (ロボティック・プロセス・オートメーション)」の略称で、ホワイトカラーのデスクワーク(事務処理)をソフトウェア型のロボットが自動化するという取り組みを意味する。先行したのは米国で、日本でも2016年頃からにわかに注目され、2017年には大手企業を中心に導入が活発化し、ビジネス界では流行語ともなった。
しかも、足元では国を挙げてDX(デジタルトランスフォーメーション=デジタル技術を活用したビジネス革新)が推進されており、いっそう積極的な姿勢でRPAの導入が進められている。その一例として挙げられるのが第一生命だ。
同社は成長分野への人員再配置を図る中期経営計画の一環として、働き方改革と生産性向上を目的にオートメーション・エニウェア社製のRPAソリューションを採用。オートメーション・エニウェアは同分野でトップシェアを競う米国企業で、日本国内でも製造業や金融、流通などの主に間接部門で同社製品が導入されており、世界全体では大手企業を中心に4000以上の顧客企業を抱えているという。
「第一生命様はRPAによる業務の効率化を成長戦略の一環として位置づけ、契約管理をはじめとする39部署の460業務に当社のソリューションを導入しています。保険業務の事務処理に加えて営業実績データのExcel加工やレポート作成などが自動化された結果、累計で13万2000時間、人に換算して約80人分もの効率化を実現しました」(オートメーション・エニウェア・ジャパン)
内閣府のサイバーセキュリティ・情報化推進室も採用
また、新型コロナウイルス騒動の渦中においても、RPAは極めて重要な役割を果たしたようだ。感染拡大とともに世界中で渡航のキャンセルが続出したが、オートメーション・エニウェアが提供するBot「Airline Call Center Bot」を使用した海外の航空会社では、殺到したフライト・キャンセルの処理を自動化することで滞りなく迅速に処理できた。
コニカミノルタでもオートメーション・エニウェアのRPAを用いており、IT部門や業務改革部門、国内グループ企業のコーポレート部門をはじめとするビジネスユニット・コーポレート部門の約7割のホワイトカラー業務に導入。社内業務の削減効果は年間数万時間に及ぶとともに、財務部において銀行の稼働日に対応して処理する業務が自動化された結果、休日出勤が不要となったりと従業員の働き方にも良い影響が現れている。
なお、オートメーション・エニウェアのRPAは内閣府のサイバーセキュリティ・情報化推進室でも採用されている。自動化に関するテクノロジーとともに、セキュリティ面に関しても高く評価された結果だと言えよう。
部門を越えた連携では、サーバー型のRPAが大前提に
こうして日本でも普及に弾みがついているRPAだが、一方で課題に直面している企業も少なくないのが現実。先述したように各業務における導入が出発点だが、より広範に部門やシステムを横断して業務をこなすデジタルワーカーを構築し、人間の仕事をより付加価値の高い業務へとシフトさせていくことが今後の目的となる。
そのためには、各業務の自動化を担うボット(タスクを実行するアプリ)を統括して管理・運用できることが不可欠だ。ところが、デスクトップ型のRPAツールを導入している企業も多いのが実情で、そうなると中央管理機能が欠如して管理・統率できない“野良ロボット”が増えてしまい、情報セキュリティ面でのリスクが顕在化しつつあるという。
「第一生命様の事例でも管理不能な“野良ロボット”を作らせない仕組みが必須要件でしたが、当社のソリューションはサーバー型で中央集権的なコントロールが可能です。さらに、当社の場合はプログラミングの知識が不要な設計で、UI(ユーザーインターフェイス)も非常にわかりやすい仕様になっています。業務に精通している現場のユーザーが自分たちの業務により適したボットを自作できることも多くのお客様に高く評価していただいている点です」(オートメーション・エニウェア・ジャパン)
結局、RPAにおける理想形は、いずれかの部門で遮断されることなく全社的に自動化のネットワークが構築されるという状態だ。オートメーション・エニウェアのソリューションは、最初からそれを前提として開発が進められているようだ。
※今回の記事に載せきれなかったRPAの実情や活用法、新たな可能性などをホワイトペーパーとしてまとめ、期間限定で公開しております。自社の生産性向上や、DX戦略などに新たな視点をもたらすきっかけとして、ぜひご活用ください。
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