「英語」といっても、受験英語やTOEICテストの英語、英会話、洋画を観るための英語などさまざまですが、そのうちの一つとして「ビジネス英語」というものがありますね。でも、単に「ビジネス英語」といっても、さらにそのなかにも、実にさまざまな英語があることまでを意識させられることは少ないかと思います。そこで今回みなさんにぜひ提案したいのは、「ビジネス英語内での絞り込み」です。
みなさんが最初にやるべきことは英語の勉強そのものではなく、「分野」と「技能」を絞ることなのです。
「分野」とは「英語を必要とする分野」のことです。一言で「ビジネス英語」といっても、プレゼン・会議・電話・海外の工場視察・商談・外国人上司からの指示など、実はさまざまな場面があるわけで、そのなかで自分にとって「どの場面での英語が必要なのか?」ということです。「あれもこれも」という気持ちはわかりますが、実際問題、それはかなり難しいことです。考えてみれば、日本語だって、プレゼンのうまい人が部下への指示をうまく出せるとは限りませんよね。ですから、どの場面での英語が必要なのか、優先順位を明確にしてみてください。
さらに、業種も重要なのは言うまでもありません。各自の業界での専門用語や部品の名前などは最初に徹底的にインプットする必要があります。最近は特定の業種に絞った英語本もあります(特に接客業の場合、「おもてなし英語」というタイトルの本がたくさんあります)ので、一度、書店のビジネス英語コーナーで探してみるといいでしょう。また、ネットで「〇〇業 英単語」のように検索して、その業界の単語をまとめたサイトが見つかることもあるかもしれません。
次に、「技能」についてです。最近は英語4技能と呼ばれ、「読む・書く・聞く・話す」をバランスよく勉強することが世間では勧められていますが、そんなことをしていたら、いつまでも英語はマスターできないというのがボクの絶対的な主張です。
四つの技能を同時に伸ばすのは理想論であって、実際にはそんなことを目指すと膨大な時間がかかり、成長を実感できません。試しに受けた資格試験でも結果が出ない可能性が高いです。そうなると心が折れて、英語の勉強そのものに嫌気がさしてしまいます。
いってみれば四つの技能を25%ずつ伸ばすより、二つの技能を50%、もしくは一つだけの技能を100%伸ばしにいったほうが、結果が出やすいのは当然です。
ですから、技能としては、まずは一つか二つに絞るべきです。みなさんのビジネスにおいて、資料やデータの読み込みが必要なら「読む」を、メールや文書を書くことが大事なら「書く」を、海外視察などで説明を聞くことがメインなら「聞く」を、懇親的な意味合いがあったり、現地のコーディネートだったり、上司の言葉を通訳しないといけないなら「話す」を優先するという、決断が必要です。
どのような分野で、どのような技能が必要なのか、忙しいビジネスパーソンだからこそ、優先順位をつけて効率的に学習に取り組みましょう。